矢鳴秀樹
2014年12月7日11時00分
漁師町のシャッター通りを再生させたい――。カツオの一本釣り漁獲量日本一を誇る宮崎県日南市の油津商店街が、いま熱い。月額90万円の事業費で市が公募した「再生請負人」を中心に、活性化に向けて人やアイデアが集まりつつある。目指すのは自立・自走できる新しい商店街だ。
■ノルマは「3年半で20店舗」
11月末の週末、日南市油津商店街のアーケード内に若い歌声が響いた。昭和の歌謡曲を歌い続けて人気を集める日南出身の大学生長谷川万大(ゆうだい)さん(19)のライブ。お年寄りや親子、若い女性ら50人以上が集った。
会場はカフェ「ABURATSU COFFEE」。元々は10年ほど前に惜しまれながら閉店した喫茶店「麦藁(むぎわら)帽子」だが、今年の春に新装開店された。「平日よりも人通りが寂しかった週末に、若い人の声が聞かれるようになった」。通りがかりの年配の男性がほほえんだ。
仕掛け人は市テナントミックスサポートマネージャーの木藤亮太さん(39)。「日南市で暮らし、任期中(3年半)に20店舗の新規誘致がノルマ。事業費は生活費込みで月90万円」。そんな市の公募に応募し、昨年6月、333人の中から選ばれた。
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