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エボラ「態勢不十分」、指定医療機関の6割

読売新聞 12月7日(日)7時40分配信

 エボラ出血熱の感染拡大が世界的に懸念される中、国内で患者の治療にあたる感染症指定医療機関の約6割が、患者の受け入れ態勢が不十分と考えていることが読売新聞のアンケート調査でわかった。

 約4割の施設が、医師や看護師などのスタッフ不足や訓練不足を理由に挙げており、国に研修の充実や財政支援を求める声が上がっている。

 アンケートは11月、全国46か所の指定医療機関に実施し、40施設から回答を得た。受け入れ態勢が「十分」と答えたのは8施設(全施設の17%)だけで、29施設(同63%)は「不十分」、3施設(同7%)は「どちらとも言えない」と答えた。

 態勢が不十分な理由(複数回答)では、「スタッフの訓練不足」が最多の21施設、「治療にあたる医師・看護師不足」が19施設で続いた。感染症の治療に詳しい医師らによると、患者が発生すると、医師や看護師らのチームが交代で長期間、24時間態勢で治療にあたる必要があるため、人員の確保が難しい。各施設では感染防止のため防護服の着脱訓練などを行っているが、全てのスタッフが習熟するまでには時間がかかる。米国やスペインで患者の治療にあたった看護師の二次感染が起き、施設側の不安が増したことも「不足」と感じる要因と見られる。

 また15施設は、日本感染症学会が認定する感染症専門医が「いない」と回答。「知識・技量を備えた医師がおり、資格は関係ない」(大阪府の市立堺病院)とする施設がある一方、「重症化した場合の対応の遅れが懸念される」(岩手県の盛岡市立病院)と答えたところもあった。

最終更新:12月7日(日)7時40分

読売新聞

 

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