テロ組織に拘束の米カメラマン 救出作戦失敗12月7日 7時33分
アメリカ国防総省は、中東のイエメンでアルカイダ系のテロ組織に拘束されていたアメリカ人の男性ジャーナリストの救出作戦を行ったものの、失敗に終わり、男性が殺害されたと発表しました。
アメリカ国防総省の発表によりますと、イエメン中部で、アルカイダ系テロ組織「アラビア半島のアルカイダ」に去年9月から拘束されていたアメリカ人のフリーランスのカメラマン、ルーク・サマーズ氏の救出作戦を、アメリカ軍の特殊部隊が5日に行いました。
作戦はイエメン政府の協力を得て行われ、テロ組織のメンバー数人を殺害したものの、作戦中にサマーズ氏と、拘束されていた他の国の人質の合わせて2人が、テロ組織によって殺害されたということです。
アメリカ軍は、先月もサマーズ氏の救出作戦を行いましたが、サマーズ氏はすでに別の場所に移されて失敗に終わっており、「アラビア半島のアルカイダ」は今月3日、「アメリカが要求に応じなければ、男性を殺害する」と警告する映像をインターネット上に掲載していました。
オバマ大統領は6日に声明を発表し、サマーズ氏の命に危険が差し迫っていると判断し、救出作戦を承認したとしたうえで、「この野蛮な殺害を強く非難する。国民を救出するためには、今後も軍事力を含め、あらゆる手段を尽くす」と述べて、テロに屈しない姿勢を強調しました。
もう1人の男性は翌日解放予定
一方、南アフリカのNGOは、この救出作戦でアメリカ人ジャーナリストと共に殺害されたのは、南アフリカ人の男性教師で、翌日解放される予定だったと明らかにしました。
NGOによりますと、男性教師は去年5月に妻と共にイエメン国内でテロ組織に拘束され、NGOが解放に向けてテロ組織と交渉を続けていたということです。
妻はことし1月に解放され、男性も殺害された日の翌日に解放される予定で、具体的な準備が進められていたということです。
NGOは声明で「われわれは、3日前に彼の妻に対して『クリスマスは彼と一緒に過ごせるだろう』と伝えていた。遺族には深い哀悼の意を表したい」としています。