北朝鮮空軍の女性パイロットに笑顔で挨拶する金正恩第1書記(2014年11月28日、平壌、北朝鮮の朝鮮中央通信提供) Reuters

 金正恩第1書記の暗殺を描いた米コメディ映画『ザ・インタビュー』は、韓国では上映されないようだ。制作したソニー・ピクチャーズ・エンターテイメントの韓国の関係者が明らかにした。

 映画は、金正恩氏とのインタビューを許可された米国人司会者の2人が、米中央情報局(CIA)から金正恩氏の暗殺を依頼されるというストーリー。米国人司会者はセス・ローガンとジェームズ・フランコ、金正恩氏はランドール・パークが演じている。セス・ローガンは監督も務めた。

 北朝鮮はこの映画が「戦争行為だ」と激怒。今年、映画の詳細が明らかになって以降、強く反発してきた。国連の潘基文事務総長に書面で抗議し、オバマ米大統領にも同様の抗議文を送ったと伝えられている。北朝鮮では、金一族に対する侮辱的行為は重大犯罪となる。

 韓国メディアがソニー・ピクチャーズ韓国法人関係者の話として伝えたところによると、同社は南北関係への懸念から、もともと映画の公開を計画していなかった。ソニー・ピクチャーズは、上映しない理由についてコメントを控えた。

 米国ではコロンビア・ピクチャーズの配給でクリスマスに公開される予定となっている。

 ハイテク関連サイトのRecodeが先週末伝えたところによると、先週初めにソニー・ピクチャーズを狙ったハッキング攻撃があり、同社はそれが北朝鮮政府あるいはその関係者による行為かどうか調査している。

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