社会人に必要不可欠な「PDCA」の考え方。でも、この「PDCA」って言葉・考え方に違和感を感じたことはありませんか?
世間では当たり前のように使われているこの言葉ですが、今回はこの言葉の妥当性と、PDCの回し方について考えてみたいと思います。
世間一般の「PDCA」サイクルの定義
みなさんが使ってる「PDCA」は下記のようなものです。
1.Plan:計画して
↓
2.Do:実行して
↓
3.Check:実行結果をチェックして
↓
4.Action:対策を講じる
↓
1.Plan…
「4.Action」は「解決策を考え、対策を行う」ということのようですが、まず「解決策を考える」ってのは「3.Check」や「1.Plan」に包含されるし、「対策を行う」というのも、それって実行フェーズとして「2.Do」を指しているのでは?と思うんですよ。
そもそも、「4.Action」で実施した結果はどこで分析・改善するんでしょうかね?
その次は「1.Plan」です。何かおかしくありませんか??
一歩譲って、「4.Action」はあくまでも「3.Check」の後の分析フェーズであり、その分析結果を「1.Plan」につなげる、ということであれば、物分りの悪い僕でも何とか理解できます。ものすごく冗長だけど。
それでも「Action」というフレーズが適切なのかという疑問は残りますが…。
PDCAはサイクルなので、「4.Action」の次に「1.Plan」が来るわけですよ。「1.&2.」を包含するような「4.」の次に、「1.」が来ると、ものすごく違和感というか、もはやサイクルが破綻しているようにも見えるわけです。
だって「1.」→「2.」→「3.」→「4.(1.&2.)」→「1.」→「2.」ですよ?
もはやサイクルでも何でもありません。カオスですよ。
じゃあ何がいいか?って、そりゃ「PDC」です。
もう一度、もう少しシンプルに、自然に考えてみましょう。これはどうでしょうか?
1.Plan:計画して
↓
2.Do:実行して
↓
3.Check:実行結果をチェックして(ここでカイゼン策を練ります)
↓
1.Plan:計画して(ここでカイゼン策を元に、次の計画を練ります)
「3.Check」で「2.Do」の結果を反省し、良かった点・悪かった点を「なぜなぜ」を繰り返して分析するんです。解決策・カイゼン策を導き出します。その結果をひっさげて「1.Plan」に突入し、次サイクルの計画を立てる。
このほうがスッキリしていませんかね?
いつか「PDCサイクル」という言葉が世の中に定着するといいですね。
でもPDCが回らないって!?
前置きがクソ長くなりましたが、そろそろ本題に入ります。
このPDCサイクル(PDCという言葉を使用します)を皆さんは回していくんですが、「3.Check」時にカイゼン策を考えるために、「2.Do」の結果が悪かった部分について「なぜなぜ」を繰り返すことになります。
やってみるとわかりますが、これがまた上手くいかないんです。全てが全てではありませんが、深刻な問題であるほど、面白いほど上手く回りません。ハハハ。
例を挙げますね。
バグが多い!!!
↓(なぜ?) 何でバグが多いのさ?
開発期間が短いから、じっくりテストを実施する時間がない!
↓(なぜ?) 何で工数がちゃんと確保されないの?
お客様から提示されている納期が短いから、PMがムリな計画を立てる!
↓(なぜ?) 何であれだけ有能なプロジェクトマネージャーなのに、
そんな無茶な計画を立てたの?
案件を受注するために短納期、低コストでの条件が必須だったッ!
↓ えっ?だったら、現場の俺らにはどうしようもなくね?
【~ fin. ~】
これが現実です。「どうしようもない答えにたどり着く」というシビアな現実に一度向き合う必要があります。
じゃあ、どうしたらよいのさ?
厳しい制約がある中で、「解決策」は無くとも何らかの「カイゼン策」はあるはずです。
カイゼンそのものを放棄するのではなく、厳しい制約の中で自分に何ができるのか?というごく当たり前の営みを続けること。当たり前のことを当たり前に継続すること。これが個人・組織の成長に必要不可欠な要素です。
この世に「いきなりウルトラCで即解決!」なんてオイシイ話は、そうそうありません。
上記の例で言えば、現場レベルでは短納期という前提を崩すことは難しい。なら、その短い工期の中でカイゼンできる余地はないか?と検討します。
開発期間は短い!!
↓
限られた短い時間の中で、効率的な試験ってどうやったら実現できるかな?
↓
まずテスト項目を改善しよう。試験観点の見直しからだね。無駄な試験してないっけ?もっと効率化できない?
↓
あ、デグレ観点試験ですが、全く影響のない無関係な試験も結構やってました!ここをカットしよう!
↓
・・・・・
実際はこんなに上手くいかないことが多いですが、解決策はなくても「カイゼン策」はどこかにあるはず、というお話でした。
また、上記では現場レベルのカイゼン策の例を挙げましたが、PMはPMで「短納期、低コストでの受注」を回避するために、どのように改善策があるのか?について日々検討する必要があるわけです。
即効性のある根本的な「解決策」なんて、あまりない。
でも、今自分らにできるカイゼン策を考え、泥臭く継続していこう。
その小さな積み重ねが、いつか「ウルトラC」として花開くから。
たぶん。
泥臭い作業を少しでも効率的にこなしたいアナタはこちらへ。