浦和が敗れたことを知った宇佐美はガッツポーズ。徳島まで駆けつけたサポーターの元へ走った【拡大】
何度も拳を突き上げる。FW宇佐美はピッチの中央で歓喜の輪を作るチームメートには加わらず、ひとりゴール裏のサポーターに駆け寄った。
「実感がなかった。真っ白になった」
終了のホイッスルが鳴り響いても表情は険しかった。徹底マークに遭い、最下位相手にゴールを奪えず、まさかのドロー。V逸も覚悟した。だが、浦和の敗戦が大型ビジョンに映し出されると一気に笑顔が広がった。
「昨年、(ドイツから)復帰したときは『G大阪で一時代を築く』と言いましたけど、翌年にすべてのタイトルが取れるチャンスが来るとは思っていなかった」
目に光るものはあったが、頬はぬらさない。どん底からはい上がってきた。今季開幕直前の2月には左足首に大けがをし、出遅れた。チームは一時、降格圏の16位まで低迷。しかし、ブラジルW杯の中断明けは15勝3分け2敗と驚異の進撃で、史上最大の勝ち点差14をひっくり返した。