【日本S】遼「わくわくしている」大会最年少王者へ2差6位浮上
◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー最終戦・メジャー最終戦 日本シリーズJTカップ第2日(5日、東京・東京よみうりCC、7023ヤード=パー70)
メジャー初制覇へ、石川遼(23)=カシオ=が首位に2打差の6位に浮上した。14位で出ると6バーディー、3ボギーでこの日のベストスコア67をマークし、通算3アンダーとした。第3ラウンドは賞金ランクトップの小田孔明(36)=フリー=と同組になった。宮本勝昌(42)=ハートンホテル=、宮里優作(34)=フリー=、韓国の李尚熹(22)が5アンダーで首位。
練習場からクラブハウスへの移動中、ギャラリーにサインをしていた石川は背後から声をかけられた。「遼、明日よろしく!」。最終組でホールアウトした小田孔だった。賞金王争いに沸く最終戦。「孔明さんと一緒に優勝争いをできたらいいなと思っている」。2年ぶりに帰ってきた石川が、ベストスコアの67で主役争いに割って入った。
人気は相変わらず。1番で2メートル半を沈めてバーディー発進し、ギャラリーを沸かせた。6番パー5。3アイアンを振り抜いた235ヤードの第2打はグリーンに着弾し、ピン前5メートルへつけるイーグルチャンス。わずかにショートしたが、2つしかないパー5できっちりスコアを伸ばす「シリーズ攻略の鉄則」をクリアした。
「もう少しいけたかな。上位が伸びていなかったので差を詰めたかった」。前半は4~5メートルの惜しいパットが続いた。しかし、ボギー直後の16番では、35インチから37・5インチに「人生最長に」長くした新パターで、左6メートルのバーディーパットを真ん中から沈めて取り返し、ガッツポーズを見せた。
5週連続となる日本ツアー。過去4戦はダンロップフェニックスの31位が最高で、1度も優勝争いには絡んでいない。「米ツアーでプレーしている時のような、一打に対する貪欲さが足りない。もっとガツガツしてもいいのかな」。悩みながら、少しずつ手応えをつかんでいった。開幕前に言い切った。「優勝しか見ていない」。ここまで明快に「優勝」の2文字を口にするのは、最近では珍しい。「なぜか自分の口から自然と出てきた。そういう状態に近づきつつあるということなんだと思う」。14年の最終戦。勝負できる自信がある。
長嶋茂雄招待セガサミーカップで孔明と最終日最終組を回り、プレーオフの末に倒した。09年カシオワールドオープンでも最終日最終組を回って孔明が優勝、遼は2位。「孔明さんとは勝ち負けを意識しながらのラウンドになるので楽しい。最終日に同組で優勝争いできるようにしたい。そのための一日になる」。今年は羽川豊の23歳363日を塗り替える、23歳81日での大会最年少Vのラストチャンスでもある。「最終日の優勝争いが今のゴルフならできる。わくわくしている」。石川の目は初出場した16歳の時のように、期待に満ちていた。(高木 恵)
石川遼