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各党首、演説内容に変化=政策の幅広げる安倍首相【14衆院選】

時事通信 12月6日(土)19時59分配信

 14日投開票の衆院選は中盤戦に入り、各党党首の演説内容に変化が生じている。安倍晋三首相(自民党総裁)は自身の経済政策「アベノミクス」に加え、教育支援の充実にも触れ始めた。野党側は序盤に展開した公約アピールよりも、自民党の独り勝ちを食い止めようと同党の批判や、自党への投票の訴えに重点を移しつつある。
 「子育て家庭を私たちはしっかりと応援していく」。首相は6日、兵庫県尼崎市の駅前でこう語り、幼児教育の無償化の推進や、大学生と専門学校生を対象にした無利子奨学金の拡充などの取り組みを説明した。
 首相は当初、賃上げや雇用増など約2年間の実績に加え、消費税率引き上げの先送りと地方創生でもっぱら演説を構成していたが、5日からは教育支援にも言及。子育て支援に力点を置く民主党を意識し、政策に幅を持たせることで一層の浸透を図る狙いとみられる。首相周辺は「小出しにしている」と語っており、終盤にかけて演説メニューはさらに増えそうだ。
 公明党の山口那津男代表は4日に「自民党だけ議席が増えて、いい政治ができるか」と訴えたが、その後は封印。6日は岡山県倉敷市での自民党候補の応援演説で、消費税の軽減税率の必要性を説いた。
 民主党の海江田万里代表は衆院選公示の2日に「今こそ流れを変えるとき。このスローガンで12日間の選挙戦を戦い抜く」と宣言した。だが、6日の前橋市での演説では触れずじまい。代わって「(比例代表で)ぜひ民主党と書いていただくようお願いする」と、議席獲得の呼び掛けに必死だ。
 「安倍自民党にレッドカードを突き付けていただきたい」。維新の党の江田憲司共同代表は東京都町田市内で声をからせた。演説内容は「安倍政権の暴走にストップを」などと、ほぼ自民党批判一色となった。
 野党間の批判も激化している。共産党の志位和夫委員長はさいたま市内で、維新の「身を切る改革」に矛先を向け「他に言うことがなくて、そればっかり言っている」と断じた。
 一方、変わらぬ訴えを続ける政党もある。次世代の党の平沼赳夫党首は長野市で「是は是、非は非」と力説。生活の党の小沢一郎代表は地元の岩手県奥州市で、「『強い者が勝てばいい』では政治は要らない」と主張し、社民党の吉田忠智党首は盛岡市で「憲法9条の理念を生かす政治」を呼び掛けた。

最終更新:12月6日(土)20時4分

時事通信

 

安倍晋三

安倍晋三(あべしんぞう)
所属院 選挙区 政党:
衆議院 山口県4区 自民党
プロフィール:
1954年9月21日生 初当選/1993年 当選回数/7回

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