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 「核兵器の人道的影響に関する国際会議」が8日、ウィーンで始まる。本来は核兵器の影響を専門家らが議論する会議だが、非核保有国が核廃絶に向けた機運を盛り上げる場にもなっている。今回は、米英仏中ロの核保有5大国から米、英両国が初参加。その動向に注目が集まっている。

 会議は昨年3月にオスロで初めて開かれ、今回が3回目。今年2月にメキシコで開催された第2回には、146カ国が出席。主催国のメキシコが核兵器を禁じる法的な枠組み作りを提案するなど、「人道」を前面に出した新たな核軍縮の議論が盛り上がった。

 今回は11月に参加を表明した米国に加え、英国も2日の下院でハモンド外相が参加を明言。参加国が約160カ国に増える見通しで、核爆発による公衆衛生や環境、食糧、インフラなどへの影響をテーマに専門家らが議論する。主催国オーストリアなどは、こうした議論の延長線上で「核軍縮が直ちに必要である」という政治的メッセージを発信することを目指す。