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 特定秘密保護法の成立から1年となった6日、施行反対を訴える集会やデモが、東京都内で相次いだ。問題点を市民に伝える若手弁護士の草の根の活動も根付きつつあるなか、秘密法は10日に施行される。

 都心の日比谷野外音楽堂には、市民ら約1600人(主催者発表)が集まった。弁護士や大学教授、学生団体のメンバーらが「施行後も抗議を続けることが抑止になる」「世代を超えて連携しよう」と訴え、銀座でデモ行進をした。友人と参加した東京都練馬区の大学4年、鈴木真蒔(しんじ)さん(22)は「不安が現実になってからじゃ遅い。若い人がやらないと」。

 政府諮問会議のメンバーとして秘密法の運用基準づくりに関わった清水勉弁護士(61)は四谷で集会を開催。秘密法で特定秘密に指定できる4分野のうち、警察が扱うスパイ活動の防止とテロ防止の2分野には、定義が拡大解釈される危険性があるとして反対する立場から、「市民生活が警察の監視対象になりかねない」との懸念を表明した。

 弁護士の太田啓子さん(38)は弁護士仲間と昨年から、若い母親らを対象に全国で100回以上、「憲法カフェ」を催してきた。分かりやすく秘密法を語り、「市民に大事な情報が伝わらなくなる」などと問題点も伝えてきた。7日にも政治や社会のあり方を考える女子会を都内で開く。「施行後も、萎縮せずに訴え続けたい」