2014年3月19日00時25分
インターネットを通じて国会議員が実現したいプロジェクトを提案し、不特定多数の賛同者から幅広く資金を募る「クラウドファンディング(CF)」が18日、始まった。議員や政党への政治献金と違い、具体的な政治活動を支援するもので、有権者にとっては新たな政治参加の道となる。
個人向けのCFサイト「シューティングスター」(http://shootingstar.jp/)を展開する運営会社が立ち上げた。兄弟関係にある一般財団法人「ジャスト・ギビング・ジャパン」が2010年、NPOの寄付金集めを仲介するために始めたCFが軌道に乗り、同様のサービスの政治版をスタートさせた。
サイト上に、国会議員が具体的なプロジェクトや調達したい目標額を提示。1~3カ月程度資金を募り、手数料を引いた額が議員に提供される仕組みだ。目標額に達しなければ支払われない。資金を提供した賛同者は、議員から政策相談や活動報告書の提供など金銭以外の見返りを得られる。法的には「寄付」ではなく事業の「販売」に当たり、支援金額に上限はないが政治資金収支報告書の記載は必要になる。
国会議員だけでなく、地方議員や選挙に立候補する予定者も利用できる。東京都知事選に立候補した家入一真氏は先行してこの仕組みを使った。供託金支払いなどのために資金を募り、6日間で700万円以上を集めたという。
民主党の細野豪志前幹事長ら与野党の11人が参加を表明。そのうち5人の国会議員が具体的なプロジェクトをスタートさせた。自民党の西村康稔内閣府副大臣は「マダガスカルの日本人・特殊潜航艇乗組員の慰霊碑を改修したい」(目標額5万円)を提案した。
運営会社とジャストギビングを率いる佐藤大吾CEOはサービスの狙いを「個人による小口の資金提供を通じて、選挙以外の政治参加の機会を広げたい」と話す。
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