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【衆院選】岩手4区・小沢王国、地盤沈下 元「シンパ」たち自民応援

2014年12月6日6時1分  スポーツ報知

 「小沢王国」最大の危機―。岩手4区で16回連続当選を目指す生活の党・小沢一郎氏(72)をかつて支えてきた多くの県会議員が、対立候補の自民党・藤原崇(たかし)氏(31)の応援に回るなど「小沢離れ」が加速している。解散時の所属議員の離党や野党統一戦線不発など小沢氏に逆風が吹く中、お膝元で起きた“地盤沈下”。きょう6日に岩手入りする“剛腕”の地元で今、一体何が起きているのか。(江畑 康二郎)

 2日に行われた自民党・藤原氏の出陣式に、2年前の衆院選時にはなかった県議たちの姿があった。

 「4区でも“小沢離れ”が確実に進んでいる。私は約15年ずっと小沢氏を支えてきたが、ここ数年の小沢氏は県民のことを考えていない。『生活の党』ではなく『自分の生活の党』ではないか? 小沢王国をリセットする最大のチャンスだ」

 そう憤りを交え話すのは、岩手県議会第2会派の県民クラブを率いる小田島峰雄代表(64)。1998年の旧東和町(現・花巻市)の町長就任時から“小沢派”だったが、その後、袂(たもと)を分かち、今回は県民クラブ所属9人が県内各地で自民党支援に回るという。

 小沢氏は、前回当選を果たしたものの、得票数は前々回に比べ6万票減。それまで次点候補に9万票ほど大差をつけてきたが、約3万票差に詰められた。さらに、自民党の新人候補に比例復活を許し、県内における影響力の低下を露呈した。新たな候補を擁立した岩手1、3区でも比例復活すらならず完敗し「小沢王国凋落(ちょうらく)」を印象づけた。

 自民党県連幹部は「岩手を変えるためには4区勝利が最重要課題」とし、“県民クラブ議員票”を頼り、応援要請をしたという。県議会最大の自民会派12人に県民クラブが協力することで、県議会の過半数に迫る勢力となった。9日には総裁の安倍晋三首相が応援演説に駆け付けるなど、自民党は幹部らが遊説を予定し後押し。今回4区で勝てなかったとしても、“小沢チルドレン”の達増拓也県知事(50)が3選を目指し、既に立候補を表明している来年の県知事選に大きな影響を与えることは必至だ。

 小沢氏は6、7日に岩手入りし、4区30か所で異例の街頭演説を行う。「比例重複立候補や、早い岩手入りにも焦りを感じる。支援者らも年を取り亡くなった方もいる。地元でも小沢氏が中央で力を失っていることを理解しているはず」と小田島氏は話す。

 「選挙のプロ」と呼ばれた小沢氏の地盤に大きな亀裂が走っている。週刊誌などによる小沢氏の離婚報道で、かつて和子夫人が取り仕切ってきた地元婦人後援会の弱体化や女性票離れを指摘する声もある。

 公示日前日、小沢氏と親交のあった俳優・菅原文太さんの訃報が全国を駆けめぐった。「小沢王国の本丸」で、かつてない“仁義なき戦い”が火花を散らしている。

 ◆岩手4区(花巻市、北上市、奥州市、和賀郡、胆沢郡)

藤原  崇 31自民前〈1〉

高橋 綱記 67共産新 

小沢 一郎 72生活前〈15〉

※丸数字は当選回数

 ◆共産・高橋氏「反戦」 〇…「安倍さんは消費増税や集団的自衛権の法整備を進めていくというが、とんでもない」と共産党の高橋綱記氏(67)は安倍政権に「NO」を突きつけた。「このままだと、日本は再び戦争をする国になるかもしれない」と警鐘を鳴らす。小沢氏についても「改憲路線で安倍さんとほとんど変わらない」とバッサリ。前回衆院選に続く4度目の国政挑戦で“反アベノミクス”の受け皿になるつもりだ。

 ◆自民・藤原氏「若さ」 〇…自民党の藤原氏は、「31歳」と記されたタスキをかけ「若さ」をアピール。新人で比例復活当選を果たしてから2年、「地方の声を永田町や霞が関に届け、立て直したい」という思いで、週末は故郷に戻り膝詰めで県民と話し合ってきた。東京にいる都職員の妻・典子さん(34)の出産日が迫っている。「妻や(初めての)子供のためにも、東北の代議士として頑張りたい」。新たな息吹を背に受け、大金星を誓っていた。

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