衆院選:アベノミクスの評価二分 候補者アンケート
毎日新聞 2014年12月06日 06時00分(最終更新 12月06日 06時00分)
◇憲法9条改正…自民「賛成」84%
毎日新聞は衆院選に立候補した1191人を対象に、政策課題に関する考え方を聞くアンケートを実施した。安倍政権の経済政策「アベノミクス」について、自民党の99%、公明党の98%が「評価する」と答えたのに対し、民主党の96%、維新の党の93%は「評価しない」と回答。アベノミクスの是非が争点になっている今回選挙の特徴を裏付けた。憲法改正に「賛成」は56%、「反対」は38%だったが、9条改正に限ると「賛成」40%、「反対」52%と賛否が逆転した。
消費税率の10%への引き上げを2017年4月に先送りした安倍晋三首相の判断については、「評価する」が53%で、「評価しない」の36%を上回った。アベノミクスへの対決姿勢が鮮明になった民主、維新でもそれぞれ46%、70%が評価しており、消費再増税の延期は大きな対立軸にはなっていない。
消費税率を10%に引き上げる際、生活必需品などに軽減税率を導入すべきかどうかでは、「導入すべきだ」が41%で、「導入すべきでない」の16%を上回った。
憲法9条改正では、自民の84%が賛成したのに対し、公明は74%が反対し、与党内で立場の違いが明確になった。維新は賛成が55%で、公明よりも自民に近いことが分かる。民主は75%が反対した。
政府が7月、集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈変更を閣議決定したことを踏まえ、集団的自衛権行使への賛否を聞いたところ、自民では賛成が90%に達した。公明は賛成20%、反対30%と意見が分かれ、実際の行使には慎重論が根強いことをうかがわせた。維新は41%が賛成し、9条改正同様の構図になっている。
原発は日本に必要かどうかの問いでは、「必要でない」が50%で、「必要だ」の35%より多かった。自民は81%が「必要だ」と回答したが、公明は37%にとどまり、「必要でない」が22%あった。「必要だ」は民主で10%、維新では6%にとどまっている。
従軍慰安婦の移送や慰安所の設置に旧日本軍が関与したことを認めた1993年の河野洋平元官房長官の談話(河野談話)については、「見直すべきでない」が58%で過半数を占め、「見直すべきだ」は32%だった。しかし、自民では「見直すべきだ」が56%。安倍政権は見直さない方針を繰り返し表明しているが、自民候補の意識は違っている。