ホロコースト:「でっち上げ」産経の書籍広告に抗議

毎日新聞 2014年12月05日 23時41分(最終更新 12月05日 23時56分)

 産経新聞が東海・北陸版(約5000部)の11月26日の紙面に、「ホロコーストはイスラエル建国のためのでっち上げ」との見出し付きで書籍の紹介をした広告を載せ、ユダヤ系団体から抗議を受けていたことが分かった。

 この広告は1ページ全てを使って同じ著者の書籍を3冊紹介。そのうち「新しい歴史教科書」と題された1冊の紹介文で、ホロコースト(ナチス・ドイツによるユダヤ人大虐殺)について「アウシュビッツ収容所は戦後ソ連によって捏造(ねつぞう)された」などとしていた。産経新聞社広報部によると、この広告掲載に対し、ユダヤ系団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」(本部・米ロサンゼルス)のエイブラハム・クーパー副所長から今月4日付で抗議文を受け取ったという。

 同社の熊坂隆光社長は5日、「掲載に至る経緯は調査中だが、広告審査手続きに欠陥があったことは明らかだ。こうした内容の広告が掲載され、極めて遺憾。読者とユダヤコミュニティーの皆様に深くおわびします」とするコメントを出した。同社は6日の紙面に社長名でおわびを載せるという。【黒川晋史】

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