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<衆院選>「脱小沢」へ自民支援・岩手4区

藤原候補の第一声に参加したいわて県民クラブの小田島代表(左から2人目)、渡辺県議(右から2人目)ら=2日、北上市

 生活の党の小沢一郎代表(72)が16選を目指す衆院選岩手4区で、「反小沢」を公言する非自民県議団が比例東北自民党前議員の藤原崇候補(31)を支援している。来年の知事選も視野に入れ、県政界を「脱小沢」へ転換する意図だ。旗印は「岩手の政治を変える」。小沢王国の岩盤にくさびを打ち込もうと、遊撃戦を展開している。

<覚悟決めた>
 無所属県議でつくる県議会第2会派「いわて県民クラブ」の小田島峰雄代表は2日、藤原陣営の第一声に駆け付けた。
 「4区は長いことお一人の方に支配されてきた。私も支えてきたが、これまで通りでいいのか。政治風土を変えなければならない」
 旧東和町長から民主党県議になり、小沢氏と行動を共にした。民主党分裂でたもとを分かち、昨年秋に離党。自民陣営を応援するのは初めてだ。
 「自民が良いわけではなく、小沢支配を変えたい」と小田島氏。県民クラブ9人のうち5人が連日、4区に入る。3人はかつて小沢系。自身の支持者を回ったり、個人演説会に出向いたりして「脱小沢」を訴える。
 その一人、渡辺幸貫県議は小沢氏と後援会が重なるが「覚悟を決めた」と言う。「農業に厳しい自民党は嫌いだが、藤原君は農家の苦しみを知る男だ」と応援する。
 前回衆院選(2012年)で藤原氏は4万7000票を獲得。小沢氏が得票を落としたため3万票差まで迫り、比例東北で復活当選した。

<利害が一致>
 援軍の登場に手応えを感じるのは自民党だ。
 岩手の衆院4選挙区で議席を常に獲得しているのは岩手2区だけ。09年は全敗した。4区選出の自民県議はたった1人。工藤勝子県連幹事長は「この20年、小沢氏に苦しめられてきた。今回は逆転を狙える所まで来た」と意気込む。
 県民クラブと自民の利害の一致点はもう一つある。来年秋に予定される知事選への対応だ。
 小沢氏に近い現職の達増拓也氏(50)は衆院解散直前、3選立候補を表明。政党と一線を画した「県民党」を掲げたが、周囲は師弟関係は強固とみる。小沢氏はこれまで、達増氏を全面支援する姿勢を示している。
 「この戦いで知事の後ろ盾(小沢氏)に打撃を与える。ここが岩手の天王山だ」。小田島氏は県政界の潮流変化を狙い、かつてのあるじに挑む。
 小沢氏は6、7日、4区入り。街頭30カ所に立ち、支持固めを図る。中盤の攻防が熱を帯びる。

◎衆院選立候補者
【岩手4区立候補者】
藤原  崇31☆自(町)前(1)
高橋 綱記67 共 新 
小沢 一郎72☆生 前(15)


2014年12月06日土曜日

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