フィリピン 台風に警戒 50万人が避難12月6日 7時01分
去年、台風で壊滅的な被害が出たフィリピン中部では、再び猛烈な台風が6日夜にかけて上陸する見通しで、フィリピン政府は警戒を強め、これまでにおよそ50万人が避難しています。
フィリピンの気象当局によりますと、猛烈な台風22号は、フィリピンの東の海上を西に進んで中部に接近しており、6日夜にかけてサマール島周辺を横断する見通しです。
フィリピン中部には去年、猛烈な台風30号が直撃し、暴風や高潮などで死者、行方不明者合わせて7300人にも上る被害が出ており、政府は市民に積極的に避難を呼びかけるなど、警戒を強めています。
フィリピン政府によりますと、台風の上陸に備えて去年の台風で壊滅的な被害を受けたレイテ島のタクロバンや、サマール島など、中部を中心にこれまでにおよそ50万人が学校や教会などに避難していて、避難する人の数は今後さらに増えるものとみられています。
また、今回は台風が接近する時期と大潮の時期が重なり、満潮の時間帯を中心に潮位が高くなることから、フィリピン政府は強風や大雨による土砂災害のほか、沿岸部の高潮にも警戒するよう呼びかけています。
沿岸で高潮発生のおそれ
気象庁の観測によりますと、台風22号は5日夜から猛烈な勢力に発達し、6日午前6時にはフィリピンの東の海上を1時間に10キロの速さで西へ進んでいます。
中心の気圧は915ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は55メートル、最大瞬間風速は75メートルで、中心から半径110キロ以内では風速25メートル以上の暴風が吹いています。
台風はこのあとも勢力があまり衰えずに比較的遅い速度で西寄りに進み、去年11月に台風30号で大きな被害が出たフィリピン中部に6日夜以降、かなり接近する見込みで、週明けの今月9日ごろにかけてフィリピン中部を横断するおそれがあります。
今は満潮の時間帯を中心に潮位が高くなる大潮の時期に当たるため、台風が近づく沿岸では高潮が発生するおそれもあります。
フィリピンの気象当局は大雨や暴風、高波、それに高潮に警戒するよう呼びかけています。