東工大研究費流用:総額7000万円か 不動産購入も?

毎日新聞 2014年12月06日 06時50分

 研究費約1490万円をだまし取ったとして警視庁捜査2課に詐欺容疑で逮捕された元東工大大学院生命理工学研究科教授、岡畑恵雄(よしお)容疑者(67)が、逮捕容疑を含め総額7000万円以上の研究費を不正に流用した疑いがあることが捜査関係者への取材で分かった。だまし取った金は車の購入費などに充てたとみられているが、他に親族のマンション購入費に使った疑いがあることも新たに判明。一部は詐欺罪の公訴時効(7年)が過ぎているが、同課は裏付け捜査を進めている。

 東京地検は5日、岡畑容疑者▽化学製品販売会社「東光化成」役員、吉田耕司容疑者(66)▽同社元社員、鈴木克行容疑者(70)の3人について、約1490万円を詐取したとして詐欺罪で起訴した。岡畑容疑者の元秘書で東工大の元非常勤職員の女(63)は処分保留で釈放した。

 捜査関係者によると、岡畑被告は東光化成など複数の業者に研究用試薬などの備品を架空発注。業者側は大学から振り込まれた代金をプールし、岡畑被告に渡したり、会社の運転資金に充てたりしていたとみられる。架空発注は2007年以前から13年まで行われ、東光化成が「プール金が増え過ぎたので解消したい」と岡畑被告に中止を求めたという。【福島祥、宮崎隆】

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