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火星目指す「オリオン」試験機が帰還
12月6日 6時26分

火星目指す「オリオン」試験機が帰還
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火星に人類を送り込むためアメリカが開発を進めている次世代の宇宙船「オリオン」の無人の試験機は打ち上げからおよそ4時間半後に太平洋に着水して地球に帰還し、NASA=アメリカ航空宇宙局は試験飛行は順調に完了したと発表しました。

NASAが開発を進めている宇宙船「オリオン」の無人の試験機は日本時間の5日午後9時5分にアメリカ南部フロリダ州の空軍基地から打ち上げられ、およそ3時間後には高度5800キロの宇宙空間に到達しました。
試験機はその後、時速3万2000キロの超高速で大気圏に再突入し、2000度以上の高熱にさらされながら、日本時間の6日午前1時半ごろ、太平洋に着水して地球に帰還しました。
このあと開かれた記者会見で、NASAの責任者は「非常に大きな一歩だ。機体に問題は特に見られず、回収して機体のデータを解析すれば、次につながる興味深い情報が得られるはずだ」と述べ、試験飛行は順調に完了したと発表しました。
オリオンは、NASAが2030年代に火星に人類を送り込むため開発を進めている有人宇宙船で、今回の打ち上げが初めての試験飛行です。
NASAは、今後、2017年には無人で、そして2021年には実際に宇宙飛行士が乗り込んだオリオンで、月の周りを回る試験飛行を行う計画で、アメリカは火星の有人探査という遠大な計画の第一歩を踏み出したことになります。

打ち上げ場所近くでは歓声

今回の打ち上げを一目見ようと、現場から5キロ離れた見晴らしのいい場所には一般の人も大勢集まり、ロケットがゆっくりと上昇を始めると、大きな歓声を上げたり抱き合ったりして喜び合っていました。
ある女性は「歴史の証人になった気分です。いつか人類が火星に行ったときに、私は最初の打ち上げのときに現場にいたと言える。ことばになりません」と喜びを語っていました。
また、別の男性は「打ち上げの衝撃が心臓にものすごく響いて、すごかった。現実のものという感じがしなかった」と打ち上げを間近で見た驚きを話していました。

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