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被災地支援Xマス行事 資金不足に直面

昨年の「サンタが100人やってきた!」。全国からの善意が子どもたちへのクリスマスの贈り物になる=2013年12月、釜石市

 東日本大震災で被災した岩手県沿岸南部の子どもたちを励まそうと、被災地支援のNPO法人遠野まごころネット(遠野市)が続けている「サンタが100人やってきた!」が、資金不足に直面している。開催に必要な寄付金が目標額を大幅に下回っており、まごころネットは「後方支援してくださる方も、サンタクロースです」と協力を呼び掛けている。

 「サンタが100人やってきた!」は23〜25日に行う。全国からの寄付金を子どもたちへのプレゼント購入費などに充てる。今回の目標額は500万円。だが本番まで20日と迫った3日現在で、7割の約350万円しか集まっていない。
 取り組みはことしで4年目。震災があった2011年から毎年クリスマスの時季に、サンタクロースに扮(ふん)したボランティアが釜石、陸前高田両市や大槌町を訪ね、プレゼントを贈ってきた。
 寄付金は2011年と12年がそれぞれ約1200万円、13年が約760万円。過去3回は目標額を上回り、被災生徒への奨学金にも充てられるほど善意が寄せられた。
 まごころネット東京事務所の柳沢亮事務局長(40)は「不足が確定しても私どもの自己資金を取り崩すなどして対応し、中止だけは回避したい」と話す。
 寄付の減少について「首都圏など非被災地では震災の記憶が風化し、被災地は既に復興したという誤解も広がっている」と、「支援離れ」の加速を懸念。現状への理解と支援の継続を訴える。
 寄付金の振込先は岩手銀行遠野支店、普通預金2051730、口座名「トクヒ)トオノマゴコロネット」。


2014年12月04日木曜日

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