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日系3大自動車メーカー、戦略失敗で7月の売上激減―中国
配信日時:2014年8月21日 6時10分
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19日、今年7月の中国の自動車市場には、全体として失望感が広がった。中国汽車(自動車)工業協会が発表したデータによると、今年7月の乗用車販売台数は135万7900台で、前月比13.18%減少した。資料写真。
2014年8月19日、今年7月の中国の自動車市場には、全体として失望感が広がった。新京報が伝えた。
【そのほかの写真】
中国汽車(自動車)工業協会が発表したデータによると、今年7月の乗用車販売台数は135万7900台で、前月比13.18%減少した。ドイツ系メーカーや米国系メーカーの各種ブランド車も例外ではなく、前月に比べて販売台数が軒並み減少したが、日系メーカーの販売台数や減少率はそれ以上に落ち込みが目立った。ホンダの7月の中国での販売台数は前年同期比20%以上減少して、わずか3万9500台にとどまった。トヨタは2カ月連続の減少となり、日産はプラス成長の勢いが止まった(特に注記しない場合、文中の各ブランドのデータは、いずれも合弁会社の販売台数と輸入車の販売台数の合計)。また7月は自動車産業全体で在庫圧力が弱まったが、日系メーカーの在庫は約9日分増加したという。
一部の業界関係者は、日系車の危機が再現される可能性があり、トヨタ、ホンダ、日産の3大大手は中国での販売台数目標を達成できないとの見方を示す。
▼3大メーカーの売上が激減
トヨタは今年6月以降、それまで9カ月続いた前年同期比プラスの傾向に終止符が打たれ、同月は同7.6%のマイナスとなった。今年2月以降、中国での販売台数の増加率は低下を続けている。5月は同2.7%増加まで落ち込み、6月はマイナス局面に入り、7月も減少を続けて同1.1%減少した。トヨタは今もなお通年の中国販売台数目標110万台を掲げるが、データを見ると今年1〜7月の累計販売台数は54万台で、目標の半分に達していないことがわかる。
日産にとっても7月は「暗黒の7月」だった。中国販売台数が5カ月続いたプラスからマイナスに転じ、同12.3%減少した。東風日産の国内販売台数は同18.6%減少し、日産全体の中国販売台数の落ち込みを上回る減少ぶりだった。日産は通年の中国販売台数目標を143万台とするが、1〜7月の累計販売台数は69万9900台で、達成率は50%をやや下回る。
ホンダの中国での業績回復の道のりは他社にも増して困難だ。7月の中国販売台数は同22.7%減少して、3万9500台にとどまった。ホンダの2014年中国販売台数目標は90万台だが、1〜7月の累計では達成率は43.7%にしかならなかった。
一方、マツダは上半期に「アクセラ」や「アテンザ」の新型車を発売したことから、7月の中国販売台数は同36.4%増加と好調だった。
▼日系車市場に圧力
業界関係者は、中国独自ブランド車の販売台数が11カ月連続で落ち込み、市場シェアも大幅に縮小しているのに、これまで強みを発揮してきた日系車がシェア奪回のチャンスをつかまえられないどころか、低下の道をどんどん進んで行くのはなぜだろうかと疑問を発する。
確かに、独自ブランド車の生き残りの可能性はどんどん狭まっている。独自ブランド車が奪い取られた市場シェアは、別のブランド車がわれ先にと手中にしている。同協会が発表したデータによれば、今年1〜7月の日系ブランドの中国市場車市場におけるシェアは、前年同期の15.1%から15.3%に上昇し、上昇幅は0.2ポイントにとどまった。一方、ドイツ車の市場シェアは19.6%から21.5%に上昇し、米国車は12.3%から12.8%に上昇し、上昇幅はいずれも日系車を上回った。
ドイツ車は中国自動車市場でこれまでずっと強い立場にある。フォードを代表とする米国車は最近は目を引く動きをみせており、特に「クーガ」をうち出すと、フォードブランドの影響力や販売台数が大きく伸びた。データによると、今1〜7月のフォードの中国販売台数は同33.2%増加し、累計販売台数は64万31台に上り、フォードが12年に中国で達成した62万6616台という数字を抜いた。このうち長安フォードの7月の販売台数は前年同月比18.9%増加し、1〜7月の累計は同35.7%増加した。
▼戦略の誤りとの指摘
一部の業界関係者は、日系車の販売台数減少の原因の一つに他のブランドとの競争の圧力があるが、より重要な原因は日系車自身が抱える問題にあるという。ドイツ系車のディーラーは、「(日系車自身が抱える問題とは)たとえば製品の位置づけが誤っていること、新車導入ペースが遅いことなどだ。コンパクトカー市場を例に挙げると、現在の中国では最も売れ筋は価格8万元(約130万円)から12万元(約200万円)のものだが、日系車の主流コンパクトカーのいくつかは価格設定がこの範囲を上回る。現在、日系車のリニューアルは車型の垂直型のバージョンアップが主流で、新型車が研究開発されることは少なく、中国消費市場の変化に追いつけずにいる」と話す。
中国での市場シェアの低下にともなって、日系車は製品に関する問題を意識し、発想を変えて、新型車の導入や人材の現地化などを進めてきた。特に昨年以降は、中国市場における新型車導入ペースを次々に加速させてきた。ホンダは中国市場向けに開発したミドルクラスカー「クライダー」やミニバン「ジェイド」をうち出し、長安マツダと一汽マツダも初のスポーツ用多目的車(SUV)の「CX-5」と「CX-7」を相次いで発売した。トヨタも次世代「カローラ」と「レビン」を同時に中国市場に投入する予定だ。
だが現在の市場データをみる限り、これらの新車種は戦いに備えて磨きをかけなければならない。そうしなければ日系車が再びシェアを獲得するのは難しいといえる。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)
【そのほかの写真】
中国汽車(自動車)工業協会が発表したデータによると、今年7月の乗用車販売台数は135万7900台で、前月比13.18%減少した。ドイツ系メーカーや米国系メーカーの各種ブランド車も例外ではなく、前月に比べて販売台数が軒並み減少したが、日系メーカーの販売台数や減少率はそれ以上に落ち込みが目立った。ホンダの7月の中国での販売台数は前年同期比20%以上減少して、わずか3万9500台にとどまった。トヨタは2カ月連続の減少となり、日産はプラス成長の勢いが止まった(特に注記しない場合、文中の各ブランドのデータは、いずれも合弁会社の販売台数と輸入車の販売台数の合計)。また7月は自動車産業全体で在庫圧力が弱まったが、日系メーカーの在庫は約9日分増加したという。
一部の業界関係者は、日系車の危機が再現される可能性があり、トヨタ、ホンダ、日産の3大大手は中国での販売台数目標を達成できないとの見方を示す。
▼3大メーカーの売上が激減
トヨタは今年6月以降、それまで9カ月続いた前年同期比プラスの傾向に終止符が打たれ、同月は同7.6%のマイナスとなった。今年2月以降、中国での販売台数の増加率は低下を続けている。5月は同2.7%増加まで落ち込み、6月はマイナス局面に入り、7月も減少を続けて同1.1%減少した。トヨタは今もなお通年の中国販売台数目標110万台を掲げるが、データを見ると今年1〜7月の累計販売台数は54万台で、目標の半分に達していないことがわかる。
日産にとっても7月は「暗黒の7月」だった。中国販売台数が5カ月続いたプラスからマイナスに転じ、同12.3%減少した。東風日産の国内販売台数は同18.6%減少し、日産全体の中国販売台数の落ち込みを上回る減少ぶりだった。日産は通年の中国販売台数目標を143万台とするが、1〜7月の累計販売台数は69万9900台で、達成率は50%をやや下回る。
ホンダの中国での業績回復の道のりは他社にも増して困難だ。7月の中国販売台数は同22.7%減少して、3万9500台にとどまった。ホンダの2014年中国販売台数目標は90万台だが、1〜7月の累計では達成率は43.7%にしかならなかった。
一方、マツダは上半期に「アクセラ」や「アテンザ」の新型車を発売したことから、7月の中国販売台数は同36.4%増加と好調だった。
▼日系車市場に圧力
業界関係者は、中国独自ブランド車の販売台数が11カ月連続で落ち込み、市場シェアも大幅に縮小しているのに、これまで強みを発揮してきた日系車がシェア奪回のチャンスをつかまえられないどころか、低下の道をどんどん進んで行くのはなぜだろうかと疑問を発する。
確かに、独自ブランド車の生き残りの可能性はどんどん狭まっている。独自ブランド車が奪い取られた市場シェアは、別のブランド車がわれ先にと手中にしている。同協会が発表したデータによれば、今年1〜7月の日系ブランドの中国市場車市場におけるシェアは、前年同期の15.1%から15.3%に上昇し、上昇幅は0.2ポイントにとどまった。一方、ドイツ車の市場シェアは19.6%から21.5%に上昇し、米国車は12.3%から12.8%に上昇し、上昇幅はいずれも日系車を上回った。
ドイツ車は中国自動車市場でこれまでずっと強い立場にある。フォードを代表とする米国車は最近は目を引く動きをみせており、特に「クーガ」をうち出すと、フォードブランドの影響力や販売台数が大きく伸びた。データによると、今1〜7月のフォードの中国販売台数は同33.2%増加し、累計販売台数は64万31台に上り、フォードが12年に中国で達成した62万6616台という数字を抜いた。このうち長安フォードの7月の販売台数は前年同月比18.9%増加し、1〜7月の累計は同35.7%増加した。
▼戦略の誤りとの指摘
一部の業界関係者は、日系車の販売台数減少の原因の一つに他のブランドとの競争の圧力があるが、より重要な原因は日系車自身が抱える問題にあるという。ドイツ系車のディーラーは、「(日系車自身が抱える問題とは)たとえば製品の位置づけが誤っていること、新車導入ペースが遅いことなどだ。コンパクトカー市場を例に挙げると、現在の中国では最も売れ筋は価格8万元(約130万円)から12万元(約200万円)のものだが、日系車の主流コンパクトカーのいくつかは価格設定がこの範囲を上回る。現在、日系車のリニューアルは車型の垂直型のバージョンアップが主流で、新型車が研究開発されることは少なく、中国消費市場の変化に追いつけずにいる」と話す。
中国での市場シェアの低下にともなって、日系車は製品に関する問題を意識し、発想を変えて、新型車の導入や人材の現地化などを進めてきた。特に昨年以降は、中国市場における新型車導入ペースを次々に加速させてきた。ホンダは中国市場向けに開発したミドルクラスカー「クライダー」やミニバン「ジェイド」をうち出し、長安マツダと一汽マツダも初のスポーツ用多目的車(SUV)の「CX-5」と「CX-7」を相次いで発売した。トヨタも次世代「カローラ」と「レビン」を同時に中国市場に投入する予定だ。
だが現在の市場データをみる限り、これらの新車種は戦いに備えて磨きをかけなければならない。そうしなければ日系車が再びシェアを獲得するのは難しいといえる。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)
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