青山直篤、多田敏男
2014年12月6日02時02分
外国為替市場で、円安が急ピッチで進んでいる。5日のニューヨーク市場では2007年7月以来、約7年4カ月ぶりに1ドル=121円台半ばまで円が値下がりした。米景気の改善期待を背景にドルが一段と買い進められる状況で、市場では円安基調がしばらく続くとの見方が多い。物価高による影響も目立ってきた。
5日の東京外国為替市場では午後5時時点で、前日同時刻より29銭円安ドル高の1ドル=120円17~18銭で取引されていた。その後のニューヨーク市場では、さらにドルが買われて円が売られ、1ドル=121円台に突入した。米国の11月の雇用統計で、景気動向を反映する非農業部門の就業者数(季節調整済み)が、市場の予想を大きく上回る前月比32万1千人増と高い伸びをみせたからだ。
対ドルの円相場はここ1カ月で、1ドルあたり10円を超える急速なペースで値下がりしている。背景には日米の金融政策の差がある。日本銀行は10月末の追加の金融緩和で、さらに大量のお金を市場に流し、市場金利を抑えている。一方で景気改善が進む米国は、来年にも利上げする方向だ。日本の金利は米国に比べ先行きも低いとの見方が定着し、円売りドル買いの動きがなかなか収まらない。
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