2014.7.31 20:12

中学2年生自殺で父親を逮捕「ふすまの開け閉めが悪かったので殴った」

 警視庁田無署は31日までに、中学2年の長男(14)の顔を殴ってけがをさせたとして傷害の疑いで、東京都西東京市、無職村山彰容疑者(41)を逮捕した。同署によると、長男は自殺しており、体中に数十カ所のあざがあったため、日常的な虐待が自殺につながった可能性があるとみて詳しく調べる。

 西東京市教育委員会によると、中学は長男が父親から暴力を受けていることを把握しながら、児童相談所に通告していなかった。長男は6月13日から中学を休んでいた。

 逮捕容疑は7月29日午後、自宅アパートで、同居する長男の顔や腹を殴ったり蹴ったりしてけがをさせた疑い。田無署によると「ふすまの開け閉めが悪かったので殴った」と容疑を認めている。

 翌30日朝、母親が自宅で首をつっている長男を見つけ119番。遺体には古いものも含め、顔や胸、足などにあざがあり、村山容疑者が暴行を加えたことを認めた。

 一家は母親と次男を含め4人暮らし。長男は父親とは血のつながりはない。遺書は見つかっていない。

 教育委によると、今年と昨年の2回、中学の担任が長男の顔のあざに気付き、話を聴くと、父親からの暴行を打ち明けた。中学側は「厳しい父親だ」との認識にとどまり、児相に通告しなかった。両親は長男の長期欠席について「体調不良」などと説明していた。

 長男と親しかったという同学年の女子生徒は「明るく友達が多い人気者で、悩んでいるそぶりはなかった」と驚いた様子。一方、3年の男子生徒によると、長男が学校で服を脱いだ際、体にけががあったと一部でうわさになっていたという。(共同)