ブタの祖先はイノシシで、それを人間が長年かけて、家畜に適した個体を選んで交配を繰り返してきた。今回の事件も、何かの拍子で突然野生の本能が目覚め、凶暴化した可能性がありそうだ。
★専門家の目
◆畜産動物の生態に詳しい石川濶・吉田学園動物看護専門学校長(札幌市) 「ブタは雑食なので、人を襲って食べるということはあり得なくもない。よほど腹を空かしていたか、非常にストレスを感じていた、あるいは飼われていた環境が劣悪だったのではないか。エサがちゃんともらえている日本のブタが、人を襲うようなことはまず考えられない」
意外な動物の事件簿
★オオアリクイ(2007年4月) アルゼンチンのブエノスアイレス郊外の動物園で、19歳の女性飼育員がオオアリクイに襲われ死亡。大きな爪で飼育員の腹部や脚を刺した
★パンダ(同年8月) 中国・蘭州市の動物園で、飼育員がパンダに襲われ100針以上を縫う大けが。おりの外にいた飼育員を腕を伸ばして爪で引っかいたり、かみ付いたりした
★チンパンジー(12年3月) 秋田市の市営大森山動物園で、飼育担当の女性嘱託職員(28)がオスのチンパンジーにかまれ、左手の人さし指の第1関節から先を失った
(紙面から)