東京都渋谷区が区民保養所に使うため購入した静岡県河津町の旅館が「アダルトビデオの撮影に使われた場所で、保養所には不適切だ」として、堀切稔仁区議が購入費用や改修費用など計約1億8000万円を区長らに請求するよう区側に求める訴訟を24日、東京地裁に起こした。
訴状によると、旅館は3月に休業し、渋谷区は4月に土地建物を買い取る契約を結んだ。しかし、堀切区議が調査したところ、2006年から昨年までに複数回、アダルトビデオの撮影に使われていたことが判明。7月に契約解除を求めて住民監査請求したが棄却されたという。
堀切区議は「人々が安らぐための保養所にはなり得ない。老朽化が進んで購入価格も不当に高く、契約は無効だ」と訴えている。
渋谷区によると、保養所は改修を進め、10月のオープンを予定。区は提訴について「監査委員の判断が出ており、適法と考えている」とコメントしている。(共同)