不正送金:他人口座から1600万円 松山の29歳再逮捕

毎日新聞 2014年12月05日 19時14分(最終更新 12月05日 20時06分)

 遠隔操作ウイルスを添付したメールを送りつけ、被害者がパソコンで管理するインターネットバンキングのIDやパスワードを不正に取得したとして、警視庁サイバー犯罪対策課は5日、松山市和泉南1、無職、藤田浩史被告(29)=不正アクセス禁止法違反の罪で公判中=を不正指令電磁的記録(ウイルス)供用容疑で再逮捕したと発表した。

 同課は藤田容疑者を首謀格とするグループが1〜5月、同様の手口やフィッシングサイトの開設で他人のIDやパスワードを取得し、自分たちが管理していた口座に21件の不正送金を繰り返し、約1600万円を盗んだ疑いがあるとみている。

 同課によると、ネットバンキングの不正送金事件を巡り、偽サイトに誘導した上で被害者が入力したIDなどを盗み取る「フィッシング」の摘発例は多数あるが、ウイルスの供用罪で摘発するのは全国初。

 再逮捕容疑は今年6月3日、自宅のパソコンからホームページでアドレスを公開している50代の会社役員の女性=東京都内在住=に遠隔操作ウイルスを添付したメールを送信し、女性のパソコンをウイルスに感染させたとしている。同課によると、藤田容疑者は否認しているが、米国のサイトから遠隔操作ウイルスの作成ツールを25ドル(約3000円)で購入した記録がパソコンに残っていたという。【林奈緒美】

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