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 タイヤで世界最大手のブリヂストンは、天然ゴムを使わないタイヤの開発に乗り出す。将来、東南アジアで「ゴムの木」が不足する可能性があるためだ。北米の乾燥地帯に生える「グアユール」という植物を使う研究を進め、2020年代の実用化をめざす。

 ほとんどのタイヤは、石油からつくる合成ゴムに、転がりを良くするため天然ゴムを混ぜてつくる。天然ゴムは、ほとんどが東南アジアで栽培されるゴムの木の樹液からつくるが、自動車が新興国に広がると足りなくなる心配があった。

 ブリヂストンがグアユールに着目したのは、粉砕して取り出す汁が、ゴムの木の樹液の性質とほぼ同じため。約3年で成長し、「品種改良の余地も大きい」(広報)のも利点だが、不純物を取り除くコストを抑えるのが課題だという。(大畑滋生)