スマートフォンや携帯電話向けゲーム業界で、地殻変動が起きている。かつて栄華を誇ったグリーやディー・エヌ・エー(DeNA)は、ヒット作に恵まれず存在感が薄れ、これに代わりガンホー・オンライン・エンターテイメントやコロプラがスマホ向けゲームで急成長。経営不振に苦しんでいたミクシィもスマホ向けゲーム「モンスターストライク(モンスト)」が大ヒットし、今期の連結営業利益が前年同期に比べて100倍近くに膨らむ見通し。1作ヒットすれば「主役」が入れ替わる構図だ。これら「3強」に挑むかたちで、老舗のソフトメーカーも本腰を入れ始めており、スマホゲームは“群雄割拠”の様相をますます強めている。
プロ野球・千葉ロッテマリーンズの本拠地、QVCマリンフィールド(千葉市美浜区)。8月からペナントレース終了まで、電光掲示板でユニークな広告が展開された。投手が見逃しや空振りでストライクを取るたび、「モンスト」に関するメッセ流れるというもの。もちろん、ゲーム名にある「ストライク」をかけた広告だ。
このゲームを運営するのが、日本の交流サイトの草分け、ミクシィだ。ここ数年は米フェイスブックの本格進出などで苦戦が鮮明となり、平成25年中間期は営業損益と最終損益がいずれも赤字。しかし、25年10月に提供を始めたモンストのヒットで様変わりした。11月7日に東京・渋谷の本社で発表された26年9月中間業績は黒字転換し、売上高は約8.8倍の349億円に急伸。未定だった27年3月期の通期業績見通しも発表し、前期4億円だった営業利益予想は、何と450億円に膨らむ。森田仁基社長は、「(実際にサービスを利用している)アクティブユーザーが積み上がっている」と強調した。
モンストは自分のモンスターを指で引っ張って弾き、敵に当てていくゲーム。サービス開始1年で、利用者数は世界で1500万人を突破した。
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