通常の本よりも2〜3倍文字の大きな弱視者のための「大活字本」。最近では、字が読みにくくなった高齢者からの関心が高まっている。大活字本を扱う書店には「本の好きな高齢の母親に勧めたい」という声も寄せられているという。(村島有紀)
「もともとは弱視者のための本でしたが、ふらりと入って興味を持っていただけるのは高齢者が多い」と話すのは、古書の町、東京・神保町の大活字本専門書店「Viva(ビバ)神保町」を運営する出版社「大活字」の市橋正光社長(41)。
一般的な書籍の文字は3ミリ四方程度だが、大活字本では7・5ミリ四方や9ミリ四方程度のサイズに拡大。弱視者でも読みやすいよう文字を白黒反転させた本もある。
同店内には人気作家の村上春樹さんや池井戸潤さんの作品などベストセラー小説をはじめ、地図や実用書、児童書など約2千冊が並ぶ。モニター画面上に本の文字を大きく映し出す拡大読書器やルーペも販売している。
市橋さんは、弱視者だった父が設立した「大活字」を17年前に引き継ぎ、平成22年にNPO法人「大活字文化普及協会」を発足。25年にビバ神保町を開設した。
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