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【政権の是非を問う】=震災復興と原発事故収束= 「復興なくして日本再生なし」 分断された地域の絆をどう取り戻すか

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【政権の是非を問う】
=震災復興と原発事故収束= 「復興なくして日本再生なし」 分断された地域の絆をどう取り戻すか

 ただ、原発事故で避難を余儀なくされた住民たちは、避難生活が長引けば長引くほど元の生活を取り戻すことが難しくなる。

 田村市都路(みやこじ)地区は今年4月に避難指示解除となったが、解除対象区域の住民354人のうち帰還した住民は117人(8月末時点)。地区全体の人口は、震災前の約3000人から半減してしまった。

 同じく10月に帰還が認められた川内村は、全人口約2700人の半数以上の約1500人が戻った。ただ、60歳未満は約660人と3割に満たない。

 いくら故郷が恋しいといっても、働く場所は少なく、生活必需品を買う店や病院も多くは再開していない。生活を再建できる環境の整備は急務となっている。一度分断された地域の絆をどう回復させるのか。これはさらに難しい。

 除染廃棄物を30年にわたって保管する国の中間貯蔵施設も用地取得が思うように進んでおらず、これも住民の帰還を妨げている。

 首相が5月に訪れた福島市の仮設住宅で避難生活を送る福島県飯舘村の木幡(こわた)一郎さん(78)はこう期待を込めた。「一日も早く復興を実現させてほしい。それができるのは安倍さんしかいない」

 来年3月には震災から丸4年を迎える。復興と原発事故収束を着実に進め、福島の住民たちがかつての生活を取り戻すためには、より強い政治のリーダーシップが必要となる。(野田佑介)

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