探査で特に注目されるのは、小惑星にクレーターを作り、変質していない地下の物質を採取する新たな作戦だ。平成31年に行う予定で、最大の見せ場になる。
作戦には4.7キロの爆薬を積んだ衝突装置を使う。まず小惑星の上空数十〜数百メートルでこの装置を分離し、探査機は星の陰に退避。装置が降下して爆発すると、銅の弾丸が秒速約2キロで地面に激突する。この衝撃でクレーターを作り、地下の物質を露出させる。
探査機がクレーターに接近し、底部にある筒状の試料採取装置を着地させた瞬間、初代はやぶさと同じ方式で別の弾丸を発射。跳ね返ってきた地下の物質を取り込む。
探査機が確実に退避して爆発から身を守れるか、地下の物質を取り出すのに十分な直径数メートル、深さ数十センチ以上のクレーターができるかなど、成功のハードルは高い。爆発で万一、機体が損傷すれば地球への帰還すら困難になる。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の国中均プロジェクトマネージャは「表面の物質を取るだけなら降りやすい場所でよいが、今回はクレーターを作った場所に正確に着地する必要がある。決して簡単ではない」と話す。
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