パスタソースの原料オリーブオイル不足か-イタリア害虫被害
12月4日(ブルームバーグ):イタリアでオリーブを栽培するファビオ・ランディニ氏は秋になると毎年、他の業者と共にトスカーナ州にある搾油所で列を作る。そこでは、石の重りを利用した伝統的な圧搾法によりオリーブオイルを抽出している。ところが、今シーズンは一滴も抽出できなかった。
スペインに次ぐ世界2位のオリーブオイル生産国であるイタリアでは全国のオリーブ農園で害虫のミバエが発生。イタリア農業調査研究情報局(ISMEA)によれば、今年の生産は35%減少する可能性がある。古代ローマ時代には、人々はオリーブオイルを肌に塗っていた。現在では調味料としてパンにたらしたり、パスタソースの原料として利用したりしている。
「今年は収穫しなかった。わずかに実ったオリーブの果実も大量発生したオリーブミバエの被害を受けた」。投資バンカーとしての仕事を退職し、オリーブを栽培するランディニ氏はそう語る。例年なら80本の木から約150リットルのオリーブオイルを抽出する。
国際オリーブ協会の2日の発表によると、イタリアで果実が被害を受けたほかスペインでの収穫も振るわなかったことから、2015年9月にかけてのシーズンの世界の生産は15年ぶりの低水準に落ち込む見通しだ。世界の食料価格が下落している局面でオリーブオイル価格が上昇すれば、3年間にわたってリセッション(景気後退)に陥っているイタリアの消費者のほか、米国などの主要輸入国にも影響が及びそうだ。米国では過去20年間にオリーブオイルの消費量が3倍に増加している。
原題:Blame Italian Olive Bugs for Dearth of Virgin Oil: Commodities(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:パリ Rudy Ruitenberg rruitenberg@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Lynn Thomasson lthomasson@bloomberg.net Steve Stroth
更新日時: 2014/12/04 11:21 JST