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 年の瀬に届く喪中はがきへの返事として「喪中見舞い」の線香などを遺族に贈るサービスが広がっている。親しかった人の訃報(ふほう)を、はがきで初めて知るケースが増えているためだ。NTTや日本郵便などが品ぞろえを充実させている。

 NTT東日本と西日本は今年8月、500円(税抜き)を加えれば一般の電報に線香を付けられるサービスを始めた。今春には漆塗りの盆が付いた電報も販売を開始。昨年6月に初めて売り出した高級線香と電報のセットが今年3月までに約11万通利用され、好評だったからだ。年末はお盆と並ぶ販売の山場になる。

 日本郵便は昨年秋、線香とあいさつ文のカードを箱に入れた「お線香たより」(税込み1080円)を売り出した。250円分の切手を貼り郵送する。年賀状を交換していた人の遺族から喪中はがきを受け取り、お悔やみを伝えるために使われる例が多い。

 背景には最近の葬儀の習慣の変化がありそうだ。身内でおこなう「家族葬」や通夜や葬儀をしない「直葬」が増え、訃報が周りに伝わりにくくなった。不況や近所づきあいの減少が要因とみられる。

 電報サービス会社ヒューモニー(東京)の線香送付サービスは、300文字まで文章をつけられる。ネット注文で税抜き2500円。昨年末は300件超が利用され、2011年から年2割増のペースで伸びている。今年は加工花や漆塗りの小箱が付いた電報も始めた。安達成生(なるお)取締役は「今後も需要は伸びる」とみる。(竹山栄太郎)

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