26・姉の身代わりに
「これは驚きました。なんとさくらさんが自ら罰ゲームを引き受けると宣言してくれました」
つい先ほどまで桃に対する過酷な罰ゲームが行われていたスタジオで、今度は幼いさくらの体が注目を集めていた。
自分が罰ゲームを受けるというさくらの発言に驚いていたのは司会者やスタッフ、観客だけではない。尿道に管を挿される痛みを覚悟していた桃も同様だった。
「さ、さくら……」
すぐ隣で磔にされているさくらは、羞恥と恐怖でふるえながらも、必死にカメラに向かって訴えかけている。
「私が罰ゲームをやりますから……これ以上おねえちゃんをいじめないでください」
さくらのとった行動は、もちろん台本にあるものではない。
想定外のことに驚いた桃だったが、妹の口から出てきた言葉に胸を打たれずにはいられなかった。
人一倍恥ずかしがり屋で、撮影で水着姿になるだけで逃げ出していた妹。
大勢の人がいるスタジオで全裸にされ、しかもその姿をテレビカメラに映されて必死に抵抗していた妹。
あの言葉を吐き出すために、どれほどの勇気が必要だっただろう。甘えん坊で幼い頃から何をするにしても自分の背中にくっついてばかりだった妹とは、とても思えなかった。
そもそもここに連れて来られたのは、事務所の社長に騙されたからとはいえ、自分も共犯と言ってよかった。
しかもわけもわからず無理やりテレビに出させられ、身動きのできない裸という恥ずかしい格好を全国に向かって放映されてしまった。
本来なら、こんな目に遭わせた姉のことを誰よりも恨んでいておかしくはなかった。なのに恥ずかしさをこらえながら、自分の身を犠牲にして二つ年上の姉を守ってくれようとしている。
そのことに桃は胸が締め付けられ、涙がこぼれ落ちそうになっていた。
「本当にいいんですね。さくらさん、カメラの前で全国の皆さんが見てる前でおしっこをしなければいけないんですよ」
「……はい」
司会者のマイクに向かって、さくらはためらうことなくうなずいた。その表情は姉と同じく強い決意を秘めており、何かが吹っ切れたことをうかがわせた。
「それではカメラさん、もう一度さくらさんの前に構えてください。おしっこが出るところを撮らせてもらいましょう」
再びカメラマンがさくらの手前に腰を下ろし、その股間にカメラの狙いを定めた。
「ううっ……」
最初に撮影されたときは悲鳴を上げて嫌がったさくらだが、今度は唇を噛んで耐えていた。
だがみるみるうちに赤く染まってゆく顔が、けっして羞恥心が薄れたわけではないことを物語っている。なにしろこれからテレビカメラと大勢の視線を浴びながら、一度も人前でしたことのない放尿姿を披露しなければならないのだ。
しかも追い討ちをかけるように、股間を見上げる位置にしゃがんだ司会者が、指でプニプニとワレメの肉を弾きはじめた。
「いや~、このワレメちゃんの肉付き。ふっくらして実にやわらかいですねぇ」
饅頭のような膨らみが、下から押されて形を変えた。ぽってりと盛り上がった大陰唇は色素のくすみもなく、美しい形のまま成長に合わせて発達している。
「あううっ……」
カメラの前で股間を悪戯をされるさくらの口から辛そうな声が漏れてくる。
「さくらさんの学校のお友達、見てますか? いま映ってるのがさくらさんのワレメちゃんですよ~。見えますか~? ほら、こんな形をしてるんですよ」
司会者はさくらの恥ずかしがる姿を映像に収めようと、カメラに向かって呼びかけたりとあの手この手を使ってきた。
それに対してさくらは耳を塞げない代わりに聞きたくないとばかりに首を振り、イヤイヤと身をよじらせる。腰をモジモジさせ、少しでも内股にして股間を見えないようにしようと無駄な動きを繰り返した。
『うおおおっ!!! さくらちゃんカワイイよぉぉぉぉ!!!』
『うひひひひ、もっと恥ずかしがれぇぇぇ』
『エ、エロすぎる……たまらん』
そのリアクションのかわいらしさに、テレビの画面の前では大勢の男たちが萌え狂っていた。
成人女性のような計算した男に媚びる態度ではなく、無垢な少女ならではの恥じらい方だったからだ。思春期に入ったばかりの少女ならではの、強い自意識と羞恥心が画面からも伝わってくる。
当然、さくらは自分の表情や態度が男を喜ばせているとは気づいていない。ただ本心のままに羞恥する姿をさらけ出しているだけだ。
「そんなに腰を引っ込めていたらちゃんとおしっこが飛びませんよ。もっと腰を突き出しましょう」
司会者の指示に従って、さくらもためらいながらも腰を前へ突き出した。
それは計らずも桃がおしっこをする前にとらされていたポーズと同じだった。足を開き気味にする恥ずかしくも大胆なポーズに、スタジオの男たちは生唾を呑み込む。
「で……出ますっ」
幼い声がスタジオに響くと、司会者の指が離れた股間から、まっすぐに液体が飛び出してきた。
この瞬間にすべての視線が誘導され、放尿する少女の下半身に注目が集まった。
放たれたおしっこは瞬く間に太い流れとなり、危うく下にかまえられていた洗面器を飛び越してしまうところだった。
「おーっ、これはすごい。お姉さんに比べてかなりの勢いです」
ジョロロロロロッ。
豪快な音を響かせながら、みるみるうちに洗面器におしっこは溜まってゆく。
ワレメの内側から噴水のように流れ出す液体は、ライトに照らされキラキラと鮮やかに輝いていた。お世辞にも清潔そうには見えない黄色く濁った色だが、美少女の放尿ショーに誰もが目が釘付けになっている。
「ううっ……」
衆人環視の中でおしっこを出しつづけるさくらは、爽快感など微塵も感じさせない切なげな表情をもう一台のカメラに映されていた。ときおり挟まれるこちらの映像にも、ネットで実況をつづける多くのマニアが食いついている。
「まだ止まりません。いや~、すごいですねぇ。おっと、そろそろラインを超えそうです」
さくらは一人で洗面器の水位をみるみるうちに押し上げ、あっさりと罰ゲームをクリアするラインを突破してしまった。
激しい放尿が止まったのは、それから数秒後のことだった。
おしっこの流れが途切れた股間を濡らしたまま、精も根も尽き果てたような顔で何度も息を吐き出している。だがその顔も正面のカメラに捕らえられていることを知ると、慌てて下を向いてしまった。
「いやーお見事です。見てください、ほら。こんなにたくさん出したんですよ」
今度は洗面器から視線を背け、もう何も見たくないとばかりに目を閉じてしまった。
ごめんね、ごめんね、さくらちゃん……。
妹の罰ゲームの一部始終を隣から眺めていた桃は、心の中で何度も謝っていた。
自分のせいでこんな恥ずかしく辛い目に遭わせてしまったことに。そして耐え難い苦痛を受けるはずだった自分を救ってくれたことに。
これで三つ目の罰ゲームを消化し、残るはあと一つとなった。
すでに二人の羞恥心や忍耐力も限界に達し、互いに疲労の色を濃くにじませていた。特に桃は数々の快感や苦痛の責めで、肉体的にも精神的にも追い込まれている。
それでも最後の罰ゲームを選択するのが自分の義務だとばかり、運ばれてきたテーブルの上のカードに目を向けていた。
「では桃さん、これでラストです。四つ目の罰ゲームを選んでください」
「……九番をお願いします」
桃が力のない声で選んだカードを司会者がめくり上げる。
「さぁ最後の罰ゲームは……おっと、これはお二人でチャレンジしていただくものです。『リサ女王様による本格鞭打ちショー』が出てしまいました」
最後に番組によって仕組まれた罰ゲームは、姉妹にとって最も過酷なものだった。
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