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 「ねんどろいど」シリーズが人気のフィギュアメーカー「グッドスマイルカンパニー」(グッスマ、本社・東京)が5日、国内初の工場を鳥取県倉吉市にオープンする。「まんが王国」を掲げる県が手厚い支援策を提示し、熱心に誘致。グッスマ社もそれに応え、雇用やイベントなど、フィギュアを通じた地域活性化に意欲を見せる。

 「コンテンツ産業を、これから地域の産業として育てたい。県内の部品工業との連携を考えていただけるなら、我々も応援します」

 4月、東京都墨田区のビル17階にあるグッスマ社本社。鳥取県の平井伸治知事(53)が力を込めた。工場進出の協定を結ぶ2カ月前。迎えた安芸貴範社長(43)も「ぜひお願いします」と応じた。

 グッスマ社が国内工場の検討を始めたのは昨秋。中国の工場に委託してきたが、人件費が上がり、優秀な従業員を雇うのが難しくなっていた。入れ替わりも激しいため、工程を細分化して作業を単純化せざるを得ず、製造技術を蓄積できなかった。

 「国内のフィギュアメーカーのほとんどは中国で生産しているが、このままでは技術革新はない。工場を日本に持ってくれば自分たちでコントロールでき、優秀な人材も集められると考えた」と岩佐厳太郎取締役(35)。企業誘致に積極的な自治体をネットで調べ、10県ほどに電話で問い合わせた。唯一「会って話がしたい」と応じたのが鳥取県だった。

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