私が乳がんになり、夫が肺がんになり入院し、両親ともに闘病生活を
送ることになったとき、上の娘にどう伝えていくか、とても考えた。
上の娘はもうすぐ6歳。幼稚園の年長さん。
おおらかだけど繊細なところもあり、人の気持ちに敏感な子。
この娘に、できるだけ不安感を与えずにいつも通りの生活を送らせて
あげるためにはどうしたらいいか、心を砕いてきた。
ひとまず普段家にいるときの様子としてはいつもと変わりなく
良く笑い良く食べ良く眠る、いつもの娘なのだけど、幼稚園では
どうなのかと気になっていた。
ちょうど先日幼稚園の個人懇談があって、娘の園での様子を聞く
ことができたのだけど、意外なほど娘はいつも通りだった。
言われてみれば…といったレベルで、いつもよりちょっとだけ過敏
になってるかな?と思う時もあるけれど、ほとんど変わりなく
楽しく遊んでいる様子。
しかも、どちらかといえば病気発覚前の、ちょうど下の娘出産直後の
方が情緒不安定な様子が見られていたというのだ。
絵を描くときに、テーマと全く関係なくママの絵やパパと遊んでる所を
描きたがってゆずらなかったり、すごくママとパパを意識している様子
がうかがえたとの事。
それが最近すっかり落ち着いて、いつも通りの娘になっていると
いうのだ。
それを聞いて私は、ちょっと反省し、ちょっと安堵した。
出産直後は、やっぱり上の娘に対するケアが足りてなかったな
という反省。
最近は、私たちが病気になったことで、上の娘を安心させたいと
いう思いがちゃんと伝わっていたんだという安堵。
子供の心って本当に敏感で、ちゃんと自分に気持ちが向けられて
いるのかどうか、わかっちゃうんだな。
そんな上の娘、最近は空に虹が出ているのを見つけては祈り、
祖父母の家の仏壇に向かっては祈り、祈れそうなチャンスを
見つけるたびに祈っているらしい。
「パパとママの病気が早く治りますように」
って。
まったく、涙が出てきちゃうよ。
パパもママも、絶対元気になるから安心して待っててね!