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池上彰、公明党議員に創価学会との関係を質問した『池上無双』に「政治のプロには当たり前の常識」「過大評価されてる」

2014.12.04 (Thu)

2014年12月3日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『荻上チキ・Session-22』(毎週月 - 木 22:00 - 24:55)にて、ジャーナリストの池上彰が出演し、テレビ東京の選挙特番で創価学会が公明党の支持母体となっていることに関して、公明党議員に質問したことについて語っていた。

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リスナーメール:池上さんの選挙特番が大好きです。候補者と池上さんとの丁々発止のやりとりを、極上のエンターテイメントとして楽しんでおりますが、池上さんは、時間が限られた候補者都のやりとりで、心がけていることはなんですか?

荻上チキ:私も楽しみにしてます。

池上彰:チキさん、同じ時間帯に、このラジオでやるんでしょ?(笑)

荻上チキ:ただ、録画してるんですよ、私。

池上彰:ああ、あとで(笑)

荻上チキ:録画した上でって、この番組では言わなければいけないわけですけども(笑)

池上彰:はい(笑)…これはね、基本的には、視聴者の代表として、というか視聴者を代弁して、訊きたいことを訊く、ということですね。

荻上チキ:はい。

池上彰:要するに、選挙特番って往々にして、政治のプロや、選挙のプロが出てきて、プロならではの質問や解説をしますよね。

荻上チキ:はい。

池上彰:ただ、普段そういう政治番組を観ていない、「選挙の日だから特番で観ようかな」って大勢の方がいらっしゃるわけですよね。

荻上チキ:うん。

池上彰:そういう時に、政治やそういう問題についてのプロが出てきて質問したりする。プロが質問していると、観ている人が、どっかで取り残される気分になるんですね。

荻上チキ:はい。

池上彰:そうではなくて、「きっと視聴者はこういう疑問を持っているだろう。その素朴な疑問を、代弁して訊いてみよう」っていうことを心がけているってことですね。

荻上チキ:うん。

池上彰:だから、訊きにくいことも訊いてしまうわけですよ。

荻上チキ:はい。
池上彰:普段、政治評論家だったりすると、政治家との付き合いがあるでしょ。

荻上チキ:ええ。

池上彰:そこで、厳しいことを言って怒らせてしまうと、明日以降の仕事に差し支えがあるわけですよね。そうなると、つい矛先が鈍ったり、慣れ合いになってしまったりっていうことが、全くないとは言えない。

荻上チキ:ええ。

池上彰:私はそういうことは全然ないので。

荻上チキ:それが強みですね。たとえば、記者クラブであったり、あるいは普段からそういう論評をこれからも書き続けていきたいとなると、さじ加減を…手加減したりするってことはあるでしょうね。

池上彰:はい。

荻上チキ:一方で、質問の時に、相手が訊かれたくない質問を、なるべく僕はしたいな、とも思うわけですね。たとえば、いつも特番とかで話題になるのは、池上さんが公明党に創価学会との関係について、VTRとともに訊いてみる、とか。あるいは、過去の発言との矛盾点について、訊くとか。あのあたりの仕込みっていうのは、やっぱり瞬発でその場その場で言うわけではないわけですよね。

池上彰:そうですね。ただし、たとえば公明党と創価学会との関係について言えば、どういうことになっているのか、よく知らないって人が大勢いるわけですね。

荻上チキ:そうですね。

池上彰:これ、政治のプロにしてみれば、当たり前の常識なんですね。つまりは、創価学会の人たちが、公明党を支援している。これ自体、政教分離に違反しないというのが、定説なっていますし。別にそれは、当たり前のこと。だから、当たり前のことだから言わないわけですよ。

荻上チキ:はい。

池上彰:そうすると、知らない人は「なんで言わないんだろう?何か、タブーになっているんではないか?」と、勝手に思うわけですね。それで私が、素人の立場で、「実は、こういうことですよ」って訊くと、「池上がタブーを破った」と、過大評価を受けるわけですよ。

荻上チキ:そういった反応で、「無双」という評価を付けられることもありますね。

池上彰:それは物凄い過大評価ですよね。逆に、政治評論家のプロにしてみれば、「池上は、なに素人のような質問をしてるんだよ」って、内心思ってらっしゃるでしょうね。

荻上チキ:はい。でも、分からないっていう層をちゃんとひきつけていかないと、それこそ政治の底上げ、みんなで議論をずるためのリテラシーの底上げは達成できないわけですからね。

池上彰:そういうことですね。

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