米国から帰国した中島裕之=成田空港(撮影・大橋純人)【拡大】
時計の針は午後4時50分を回っていた。予定より、20分ほど、到着が遅れたロサンゼルスからの直行便。約12時間のフライトを終え、ついに“虎の恋人”が日本に帰ってきた。
そう、中島だ-。
グレーのパーカーにジーンズのラフなスタイルが、この男なら様になる。だが、イケメンもカメラのフラッシュ、シャッター音に気づくと、思わずキョトン。目を丸くした。
「なんで??」
驚くのも無理はない。聞けば、周囲にはあまり知らせず、極秘帰国したという。そして、続けざまに素直な心境を口にした。
「日本で騒ぎになっているんですか? 友達から『こんなニュースが載っているよ』とよく、記事が添付されたメールが来るので…」
戸惑いながらも、柔和な表情を浮かべた。今季のシーズン最終戦後には阪神を筆頭とした日本球団が獲得に乗り出していることについて「言われているうちが花」と語っていた。置かれた状況を理解していた。同時に笑顔の理由には、順調なリハビリ経過がうかがえた。