<仙山線立ち往生>暖房切れ情報なく8時間
宮城、山形両県を結ぶ通勤通学の足が、師走の雪で大幅に乱れた。山形市山寺のJR仙山線面白山高原−山寺間で3日午前7時40分ごろから約8時間、山形発仙台行き快速列車が立ち往生。乗客約300人は停電で暖房が止まった車内で寒さに震え、復旧情報の少なさに憤った。缶詰め状態から解放された時は既に夕方を迎え、疲れ切った様子だった。
みぞれが降りしきる山寺駅に午後4時ごろ、6両編成の快速列車が到着した。降りたのは約70人。うち約40人がJRが用意した代行バスで、仙台方面に向かった。
「車両後部でガタンという音がしてピカッと光った。すぐに電気が落ちた」。仙台市内に出勤するために乗車していた山形市の会社員男性(55)は、列車が止まった時の状況を説明する。「取りあえず仙台に行く」と、疲れた表情で代行バスに乗り込んだ。
雪で倒れた木が架線に掛かって停電し、列車が動かなくなった。暖房も長時間切れた。東根市の専門学校生高橋郁充さん(21)は「アルミ製の防寒シートとカイロが支給されたが、とても寒かった。早く家に帰って休みたい」と家路を急いだ。
仙台市の専門学校に通う山形市の男性(25)は「停電で止まったと聞いたけれど、復旧状況の案内がなかった。こまめに教えてほしかった」と不満を口にした。
仙台方面に向かわず山形駅に戻った乗客も多い。東北文化学園大(仙台市)に通う山形市の古沢美里さん(21)は「停電で車内の水洗トイレが流れずに臭いが漂い、気持ち悪くなった。大切な実習があったので非常に困る」と肩を落とした。
「一晩中、電車で過ごさなければならないかと不安だった」と話すのは、山形市の専門学校生荒井幸生さん(19)。「普段から(倒木対策など)整備しておかなければならないと思う。同じことを起こさないでほしい」と怒りをあらわにした。
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2014年12月04日木曜日