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R18勇者に支配される世界 作者:ゼエル

第一章:シュフルド王国編

第8話

ああっ、一月中には間に合わなかったかorz
いや、前半部分は間に合ってたのだけど、
これじゃ足りないと後半付けたしたのがいけなかったのか。
結局いつもと大差ない文字数になってしまった(汗)
そしてそのため登場予定のなかったキャラをここで出してしまった。
まあ今後少しだけ出番あるから顔見せ出演だと思ってくれ。

※感想の指摘から一部改訂しました(2月3日)

───王宮には隠された秘密の庭園がある


 そんな噂話がまことしやかに城内や城下町では流れている。
実際は王族居住スペースの奥まった場所に小さな庭園があるというだけの話。
物理的に王族かその許しを得た者でなければ近寄ることすら不可能なだけで
別段隠されていないのだが実態としてはそれに近いモノであるのも確かだった。
その一角にあるガーデンテーブルにて向き合う男たちは談笑しながら、
アフタヌーンティーとしゃれこんで昨晩から今朝(・・・・・・)の互いの成果に喜んだ。

「────そっか。やっとその人、後宮に入れたんだな。
 怖い旦那さんと離れられて良かったよ。それで昨夜はお楽しみ、ってわけか」

王の話はかなり脚色されているが大筋で間違っていないマリーとのなれ初め話。

「あっ、やっ、はぁんっ!」

からかおうとニヤニヤとした顔を向けるカイルにナオトは仏頂面で言い返す。

「………お前にだけはいわれたくないな。
 メイド連中がげっそりした顔で戻ってきたぞ、どんだけだよ」

「うっ、し、仕方ないだろ! こっちは初めてだったんだから!
 加減とかいろいろできなくて………申し訳ないことになったけど」

「いやっ聞きたくな、んんんぅっ!?」

「……あれはもう明日明後日まで使い物にならない気がする。
 人手不足の我が城ではかなり手痛い状況だよ、コマッタ、コマッタ」

「いや、だから………悪かったって」

全く困った様子もなく棒読みジト目で繰り返せば目を泳がしながら謝るカイル。
募りに募った想いと若い情欲ゆえに歯止めがきかず暴走した事は反省すべき話だ。

「って、よく考えたらお前がいえた義理か!
 騎士やメイドにまで手を出して囲ってるお前が!
 今回に至っては人妻にまで手を出したお前が!!」

ただそれも相手が自分と同じように立場ある女性と関係がなければの話。
無節操に手を出しているとは思わないし王族が一夫多妻制なのは常識なので
その点で彼はナオトを特別どうにも思っていないがやってる事は同じだ。

「心配するな、元の業務に支障のないように調整や根回しは完璧だ」

「あひんっ! やめて、やめてぇ、ああっ、ああっ!」

それを指摘すればかえってきたのはドヤ顔でのそんな言葉。

「そりゃそうだろ、王さまはお前なんだから!
 ってか、やっぱり計画的犯行なのかよ!?」

出会った頃はお前がそんな腹黒だとは思わなかったと疲れたように肩を落とす。
その様子をポーズと理解するナオトは紅茶を優雅に嗜みながら腰を振る(・・・・)

「おぜん立ては重要だってこと、さ!」

「んあぁっ! はあっ、はあっ、奥つくのだめぇっ!!」

王とその騎士の会話としては不適切極まりないが公以外では彼らは友人である。
忙しいため滅多に行われないが年に数回はこうして互いの近況を語り合っていた。

「お前のはお膳立てっていうかもっと凶悪な何かのような気がする。
 まあ、そのおかげでエミィにも嫁の貰い手が出来てよかったけどな」

そういってカイルは目の前で貫かれている幼馴染を笑顔で見詰めた。

「カ、カイルちがうの。おねがいきづ、んんぅっ!」

表情に浮かぶ優しく柔らかな笑みが心の底からそれを祝福してると解る。
解るだけにエミィの心はナイフを突き立てられたように大きく抉られる。
見せつけるためテーブルに対して側面を向けたガーデンチェアに座るナオト。
その腰の上で王に背面を見せながら中腰に立つエミィは剛直に貫かれている。

「やだ、やだ、やだぁっ! あはぁん、とまらないよぉ!
 カイルの前なのに、ああっああっ、たすけてカイル!」

目に涙をためてイヤイヤと首を振りながらも淫らに裸体を、腰を振る。
昨日自分の処女を奪った男の肉棒にこびるように、求めるかのように。
内側から抉り子宮口を襲う凶悪なソレに喪失したばかりの小娘は敵わない。

「ったく仮にも幼馴染の前でいちゃつきやがって。
 ……俺も恋人といちゃつきたい……はぁ」

そして助けを求めたカイルにはその光景は正しく認識されていない。
彼の首にもチョーカーは巻かれており他の一般人と同じように誤認する洗脳下。
知れば止めようとするであろうカイルと争わないための処置であった。

「ううっ、そんな!」

助けの声が届かないまま目の前で犯されている。
だというのに肉体は順応しようと熱を持って快感を受け入れようとする。
だがその事実よりエミィはカイルが平気な顔で祝福した事がショックだった。

(あんなに一緒にいたのに! 私が一番そばにいたのに!
 そんなあっさり、わたしより他の人がいいなんてっ………)

自分達を見る目に、顔に、表情に、一欠片の嫉妬もないのが分かってしまう。
カイルの中でエミィは幼馴染でしかなくそこに異性としての目線が無かった。
付き合いの長さゆえ、女としても見てもらえてなかったのだと気付いてしまう。
よりにもよって目の前で他の男に犯されているという状況で。

「こんなっ、こんなのってない! ずっと好きだったのに!
 んんっ、あぁっ、どうせあんたなんでしょ!! やあぁっ!
 あんたが好き勝手して、んんっ、めちゃくちゃにしたのよ!
 元に戻して! わたしとカイルの毎日を返してよ!!」

こんなあり得ない結末など認めないと醜く顔を歪めて王へ振り返り、叫ぶ。
変わらず肉体は王と交わり続け、初めてとは思えない腰振りを見せていたが。

「おいおい、ワガママいってナオトを困らせるなよ」

「っ、やめて! やめさせてよ! はぁあぁっ!」

それがいったいどんな解釈をされたのか。
エミィからすればあまりに無情な言葉がカイルから飛び出す。
一瞬で深く傷ついた顔をした彼女に、されど王は慈悲の心など持たない。
なにせ彼女はナオトに最も言ってはならない言葉を口にしていた。

「…………だったらお前が俺に返してみろよ、元に戻せよ。
 そしたらいくらでもお前の理想の世界にしてやるよ」

だからか反射的に白い肌の尻を引っ叩き、もみじ模様をつけていた。

「ひぃっ!!」

けれどその痛みに慄くより彼女は怯えて縮こまる。
満面の笑みから発せられるどこまでも低く暗い声に感情が一転恐怖に歪む。
このときになってようやく彼女は彼を敵にしてはいけなかったことを悟る。
そして同時にその相手の逆鱗に触れてしまったのだということも。

「………もういい、失せるがいい」

「え?」

想い人の前で犯される悲しさと悔しさに悶える彼女をそれまで嘲笑っていた目。
そこから色が消えて、どうでもいいといわんばかりに肉棒を抜いて突き飛ばす。

「きゃっ、え、え?」

何が起こったのか解らぬまま呆然と地面に倒れ伏すエミィ。

「ん、エミィはどうしたんだナオト?」

「ああ、どうやら予定が出来たらしい。今すぐ行かなくてはいけないようだ」

「そっか、もう後宮のひとりだもんな。大変だなエミィ」

カイルには一転して友としての顔を見せて笑顔で答えると言外に去れと告げる。
それをどうやら後宮の仕事だと誤認した幼馴染に空しさを覚えるエミィ。

「そ、そんな、んっ……」

まるで物。それも気が乗らなくなったから中途にやめるなど。
場末の娼婦ですら滅多にそんな風にはされないであろうその扱い。

(うそでしょ!? こ、こんな状態のまま放っておかれるなんて!?)

ましてや無理やりだったとはいえ肉体はもう昂りきっている。
肌はほんのり桜色に染まり体の奥も熱を持ってオスを求めていた。

「……命令されないと、動くこともできんのか?」

彼女を見ることもなく冷めた声での言葉。
ここで恥も外聞もなく最後までしてほしいといえるほど。
彼女はその内にこもる熱の辛さをしらない小娘であった。

「っ、は、はい。わかりました……ん、はぁ、あ、あの服は?」

もっとも理由の大部分はナオトの態度を恐れて、だが。
いわれた通りにしようと立ち上がるが周囲に脱がされた衣服が残ってない。

「後宮までいけばどっかにあるだろう? さっさと行け」

「え……くっ、わかり……ました」

裸で後宮まで戻れといわれたも同然である。
この庭園と後宮は位置関係としては建物の端と端。
その長い距離は彼女は多くの誰かに見られてしまうことだろう。
誰もそれを不自然と思わない不気味さに怯え、羞恥に震えながら。
最後に意味ありげな視線をカイルに向けたが彼は気付くこともなかった。

「…………あいつは行ったぞ。何か相談したい事があるんだろう?」

「え、あ、やっぱバレてたか」

あははと苦笑するカイルにわからいでかと返すナオト。
昨日やっと彼は長年恋い焦がれていた相手と結ばれたのだ。
暴走しすぎて相手をグロッキー状態にしてしまったが、好機でもある。
彼女のそばで堂々と世話を焼くことが出来る口実が手に入っている。
なのに、復活した彼が望んだのはナオトとの報告会だった。

「やっと結ばれた女放って男の所にくるなんて、それ以外に何がある?」

「いやいや、お前にはいっぱい相談乗ってもらったからさ。
 きちんと報告とかするつもりだったんだよ、結果がなんであれ、ね」

だから困ってしまったんだ。と少し寂しそうに笑うカイル。

「いまお前だけだからいうけど。
 俺と姉さんって……当たり前だけど姉弟じゃん?
 だからきっとやんわり諭されて断られるんだろうって考えてたんだ俺」

「ああ、なるほど。
 ところが予想外にうまくいったうえに一夜を共にして朝までコース。
 冷静になったら、俺とんでもない事しちまった!ってか?」

「う、ま、まあそんなとこだ。嬉しいは、嬉しかったんだけどね。
 成功した時どうするか考えてなかったから困っちまって。
 ほら、俺たち姉弟だから姉さんだけが受け入れてくれても問題が……」

「あるわな、普通」

後継者がいない王族ならばいざしらず一般的に近親相姦は悪徳である。
受け入れてもらえる事など夢にも思っていなかったカイルは不安だった。
むろん隠す気ではいるがどこからバレるか解らない。その時になって、
彼女や友であるナオトに迷惑をかけたくはなかったのだ。

「……まったく何を言い出すかと思えばそんなことか。
 俺がその程度のことに先手をうっていないとでも?」

「そんなことっておま………え?」

にやりと不敵な笑みを浮かべたナオトは既に根回しはすんでいると口にする。
どういうことだと困惑気味に彼が聞けば、そもそもお前のおかげだと返した。

「お前、騎士団の入団試験の時からずっと姉の事を誰にもいわなかったろ?」

「え、あ、うん。姉の七光りなんて思われたくないし、
 俺が駄目だった時、姉さんの名前に傷をつけたくなかったから」

既に当時から戦士として冒険者として名高いイザベラの、弟。
そう触れ込めば多少待遇や発言力は上がるかもしれないがそれを嫌ったのだ。
正々堂々と自分の力だけで騎士として名をあげたい。それが彼の想いで願い。
でなければ姉と対等な関係の男になどなれないという考えもあったのだが。

「そのおかげで、お前らが姉弟だなんて知ってる奴エミィだけなんだよ」

「……あっ」

この世界においてファミリーネームはある程度の地位を持つ一族だけの物。
完全な一般の出である二人にそれがなく血の繋がりを感じさせない容姿の姉弟。
おそらく本人たちがそうだといったところで信じない者も多いと思われる。

「俺はうまくいくかもしれない可能性を考えて、イザベラ将軍には
 お前と似た理由でカイルとの関係は口にしないようにいっておいたから
 彼女の口から誰かに聞かれているという線もなくエミィはもう後宮だ」

そしてふたりの幼少時を知る者は既に鬼籍か遠地にいる。
本当の続柄が知れ渡ることは皆無といえるだろう。

「だから安心しろ。場所と節度さえ考えてくれるなら、
 城内だろうが街中だろうがどこでも好きなだけいちゃついていいぞ。
 ああ、でも出来れば青姦するときは気を付けてくれるとありがたい」

「バッ、馬鹿言うな! そんなことするか!」 

そういって意地の悪そうな笑みでニヤニヤするナオトに爆発するカイル。
楽しそうに笑ってそれを流す彼に憮然とするカイルだが急にその顔を引き締める。

「なあ、もしかしてエミィを後宮にいれたのって……」

「はっ、まさか。そこまで俺はお人好しじゃないよ。
 そもそもエミィが近衛に来たのだって偶然だしな。
 見ている内に気に入ったから後宮に誘っただけだ。無理強いはしてないよ」

いつも通りの顔で冷静に語っているがほとんどが真っ赤な嘘である。
イザベラに近衛を選べと命じた場合高確率でエミィが来る事は分かっていた。
親交があった事もあるが“カイルの幼馴染”ならば安全だと考えるだろうから。
彼女の罪状を知らなかったイザベラはまんまとエミィを近衛にしたのである。
そして彼女を犯し孕ませ国の現実を教えたあと後宮に閉じ込めたのが真相だ。

「そうか……わかった。そういうことにしておく。
 でもエミィは俺の大事な幼馴染だからな。
 手酷く扱ったらお前でも許さないぞ」

冗談っぽい口調ながら真剣な目でいわれて、彼はわかったと頷く。
先程まで行われている事を正しく認識する者ならあまりに滑稽な言葉だ。
そう、正しく認識している者ならば。

「ああ、わかってるよ」
(事実を知ったらお前はきっと俺を許さないだろうな。
 そういうお前だったから、何度も俺も庇ってくれたのだろうし)

その真っ直ぐさと純粋さに感謝しながらもそれを裏切る自分が悲しい。
彼を騙して好感を得ようとしたエミィとさほど変わらないと自嘲する。

(いや、あいつより最低か……)

エミィに対する処遇だけではない。
罰という名目までつけてイザベラの家族愛を男女愛に変えた。
イザベラ本来の意識を封じ込めてはいるが表のあれはそれだけの変化。
カイルの事が好きなだけの人格ではそれは彼が惚れ込んだイザベラではない。
とはいえ騙していることに違いはなく本来の彼女は一生その殻の内だ。

(人の心と命を弄ぶ悪党、か……言い得て妙過ぎて反論するのも馬鹿らしい)

元より覚悟のうえ。どれだけ線引きしようが、どんな理由があろうが、
彼の中で、彼のやっていることは悪徳であり罪であり許されない。

「まあお前なら大丈夫だと思うけどな」

だから、そういって笑う友の無条件の信頼がとても彼には痛かった。


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カイルとの語らいは同じ年頃の男友達がこちらにはいないナオトにとって
歳相応の、どこにでもいそうな男としていられる貴重な時間である。
実際にやってることは別として、容赦なく言いあえる友は彼しかいない。
それはいくら全てを知り、何をされても付き従う意志を持つマリーでも、
女である以上与えることのできない別種の安らぎと暖かさである。
同時に何も知れない(・・・・)ようにしたために隠し続ける痛みを負ったが。
だからだろう。彼との話が終わって別れたあとは妙な寂しさを抱えている。

「あっ」

執務室に戻り仕事に追われることでそれを紛らわすのが常。
されどこの日はふたつばかり事情が違い、思わず邪な笑みを浮かべる。

「久しいな、ファリン殿」

今しがた王妃─セラ─の部屋から出てきた緑髪の妙齢の女を呼び止める。
すでに王の姿を見つけていた彼女はそもそも動けもしなかった。
ただメガネの奥の青い瞳を驚愕で震わせているだけ。
“俺に会いたくないなら城に来なきゃいいのに”

「へ、陛下っ……なにかごようでしょうか?」

明らかに動揺した顔で、されどそれを隠すために固い声で返す。
その態度だけで自覚のある方の人間なのだと暗に示している。
もっとも、その違いに気付ける者も自覚ある者たちだけなのだが。

「用はある、が……それより我が妻にあたる女の部屋に何用かな司教殿?」

「っ!?」

出てきた所を見られているが指摘されたことで表情により動揺が浮かぶ。
ナオトからすればあまりにも無様でわかりやすい反応だと呆れている。
実際、あえて発した言葉の毒にはまったく反応してこなかった。

「お、王妃様が我がイラーフ教の教えをお聞きになりたいと。
 経験者といえど出産間近であらせられるので少し不安なのでしょう。
 心穏やかになれるように少しお話相手になっていただけです」

言葉だけをとればもっともらしいが焦った早口のそれはそれだけで怪しい。
イラーフ教はカラミタ全体で最大の信者数を誇る宗教でこの国にも教会がある。
歴史ある大国のシュフルドには大司祭以上が常に本部より赴任しており、
現在は司教であるファリン・ゲンダークがこの国でのイラーフ教の責任者だ。
しかし救世の勇者を王としたこの国ではその立場は日に日に弱くなっていた。
そんな彼女が城に居場所のない王妃と会談など何かあると告白してるも同然。
だがナオトはあえてそれには触れず、それで納得したふりをする。

「それはじつにありがたい。司教殿が会いに来てくれるのなら安心だな。
 お腹の子には無事に生まれてほしいが五つ子なのでな、俺も不安が消えぬ」

どの口がいうのかという嫌悪の感情が表情に浮かび過ぎている女司教。
王がそう思わせるためにした発言だということも知らずに。愚かだ。
ナオトは胸の内だけで嘲るとわざと(・・・)彼女を舐め回すような視線を向ける。
イラーフ教の司教服を着ている彼女のその見事なラインを描く下半身を主に。
彼女の司教服はナオトの視点からみればスリット入りシスター服といえた。
上半身は黒地のワンピースでイメージ通りの意匠だが左右のスリットは深い。
それは長い丈に反するように腰近くまで入っており白のハイソックスを見せつける。

「っ、失礼しまっ」

「“声を出さずに絶頂しろ(イケ)”」

視線の意味を悟ってか足早に逃げようとするが、できるわけもない。
突然で絶対的な命令なれどチョーカーで縛られた者に逃げ場などない。
彼女もまたあの日、あの時に城内にいたのである。

「んぅ~~~~~~~~~~~~っっっ!!??」

唇を固く閉ざして、くいしばりながら身体を大きく震わせて崩れ落ちる。
性交どころか愛撫さえされていないのに突然襲ってきた絶頂の波は暴力だ。
脈絡なく体は芯から火照り、駆け巡る快感の甘い余韻に体が痺れる。
甘く荒い息が漏れ、一瞬で女を『出来上がった』状態にした。

「あはぁ……はぁはぁはぁっ……」

「悪いがさっき中途半端で終わってな。苦しくてたまらん。
 どうか一発抜いて助けていただきたいのだが、司教殿?」

ひとつめの、わりとどうでもいい事情を告げながら迫る。
口角を釣り上げるだけの笑みを浮かべた彼に逆らえる者など誰もいない。
無理やり立たせた彼女の背後に立つとスリットへと手を忍び込ませる。
そして肉感的な太腿をいやらしく撫でまわしていく。

「あっ、やっ」

反射的に拒否の声と共に彼の手を掴むが抵抗にもなっていなかった。
力がろくに入らず添えているだけ。見方によっては手助けしてるかのよう。
続くように片方の手が王妃たちに比べれば慎ましい胸肉を掴む。

「ん、あぁぁっ」

布越しの鷲掴みだというのに甘い声がもれてしまう。
一回強制的に絶頂させられた肉体はもう全身が敏感になっていた。
胸に気を取られているうちにもう一方の手はショーツの中に潜り込み、
すでにもう蜜を垂れ流している女の入り口を指でそっと撫でる。

「はぁん、んんっ、ぁぁ……」

丁寧なようでじつは焦らすタッチに知らず腰を押し付けるファリン。
未だどこか余韻に痺れる頭では自分が何をしているのか把握さえできない。

「ひゃん!」

「おいおい、一回絶頂しただけでこれか?」

それを自覚させようと潜り込ませた方の手を彼女の目の前にさらす。
わずかな触れ合いだけでもう彼の指には光り輝くほどの蜜で溢れている。

「ああっ、こんな! 神に仕える私がまたもこんな!」

「濡れやすい司教もいたものだ。これなら前戯は必要ないな、ほれ」

「きゃ、なにをするのです!?」

抜けきらない甘い痺れから足に力が入らぬ体から手を離す。
体を支えようと壁に手を付くが彼に尻を突き出す格好となっていた。

「ふふ、色は清楚だがいやらしいデザインだな。聖職者のくせに」

「いやっ、見ないで!」

そしてスカートを捲りあげてしまえば白いレースのショーツが現れる。
隠すべき所をきちんと隠しているがその意匠は男を誘っているかのよう。
何よりある一部分がおもらしでもしたかのようにはっきりと濡れていた。

「相変わらずのデカい尻だな。
 叩き甲斐がありそうだが、今日は穴にしか用がないんだ。悪いな」

「くっ、あ!」

気にしているたっぷりと肉の詰まった臀部を強調されて歯噛みするが、
少し撫でまわされただけで簡単に甘い声が出る自分に憤りさえ覚える。

(なんてこと! こんなにあっさりこいつに感じさせられるなんて!?)

基本スタンスがねちねちと攻め、尽きないスタミナで犯し続ける彼だ。
なのに実質何もされてないのに感じやすくなった矛盾に意識がついていけない。

「さて、出し損ねたのを出させてもらうかな」

一気にショーツをずり下げて何かを求めるように蠢く穴を見てほくそ笑む。
同時に彼もまた局部を露出させて、その布擦れの音で察した彼女は息を呑む。

(また犯される! 女のすべてを屈服させる悪魔にまた!)

沸き上る恐怖と自覚のない高揚に、しかし予想された衝撃はこない。

「え、きゃあっ!?」

代わりに片足を持ち上げられて彼の肩にかかるように乗せられた。
王はその足を抱くように引き寄せ、彼女は倒れそうな体を片足と両手で支えた。
下を向いていた顔が強制的に背後の彼に向けさせられて視線が合う。

「その知性派ぶってる顔、今日も蕩かせてやるよ」

「え、あっ、やっ見ない、でっ、いやぁっ、うそっ、あああぁぁっ!!??」

意表をつかれた形で侵入してくる熱く硬い肉の棒。
濡れていてもまだ閉じていた膣をこじ開けて女を二度目の絶頂に押し上げる。

「おうおう、一気にだらしない顔になって。
 膣内もアツアツ、とろとろ……やっぱ一回イかせると楽に動けるわ」

最初の強制的な絶頂は単に穴を濡らす以上の意図などなかった。
すべりの悪い膣にいれても、彼の場合あまり気持ちよくなれないのだ。

「あひ、ああ……こんにゃかんたんにまたぁ……」

一方彼女は実感は伴うが強制的な快感の波に呂律が回らない。
知的な印象を受ける表情も今やだらしなく口を開き、目はイっていた。

「ほらほら頑張れ、俺が出したら終わってくれるぞ!」

「ひゃあっ! ああっああっ、んあっ、あんあんっ!」

乱暴な腰振りで片足で壁に追い込まれている格好の彼女はされるがまま。
顔はより乱れ、肉と肉がぶつかり蜜をかき乱す音がファリンの羞恥を煽る。

「んああっ! おっおねがいせめて場所! 場所変えてぇ! んんんっっ!!」

「早く出したいだけなんだ。もっと頑張れ」

「違う! 違うの! 王妃さまに聞かれ、んひゃあんっ!?
 そこだめ! 赤ちゃんの部屋だめぇっ!!」

彼女の気持ちなどわかっているというのにあえて見当違いを口にする。
そして言葉を遮るように子宮の入り口をこすりあげて悶えさせた。
自らの一挙手一投足で弄ばれる女の顔をみると昏い感情が満たされる。

「心配しなくても丸聞こえだろ。
 だけどあいつは怖がってきっとこっちには来ないさ、安心しろ」

「そんなっ、あっ、ああっ!」

それのどこに安心できる要素があるのか。
嬌声を聴かれて恥ずかしさに泣きたいのに鳴かされ続けてしまう女の自分。

(まあ、釘刺しにもなりそうだからな。利用させてもらうが)

先程まで『何か』を話し合った相手が部屋を出た途端犯されている。
薄い扉向こうの姫王妃はいったいそれをどんな顔で聞いているのか。
思わず開けてじかに見てみたい欲にかられるが昨日の今日である。
しばらくは休ませなければいけないとぐっと我慢する。

(じゃないと次に何かしたとき新鮮な反応を得られないからな)

その時を妄想して腰を振る。悪辣だという自覚は当然ある。
だけどどう考えても免罪符がない。彼女らを人として抱く必要性も感じない。

「ひゃあっ、あんっ、あっあっ、はっ激しっ、んんっ!?」

そう思えば思うほど快楽に蕩けて歪む顔見たさに動きが強くなる。
さしずめそれは実際の女を使った壮大且つ陳腐なオナニーだ。
抱いているのではなく、使っている。モノ扱い。最低最悪の行為。

「ああっいいね! この角度が一番気持ちいい」

「そこっ、あああぁっ!? ひぃっ、ずるいそこばっかりだめぇっ!!
 死ぬっ、ひぬぅっ! あたしひんじゃうっ!!」

そう思えば思うほど興奮する自分にマゾかとまたも自嘲する。
悪をなしている自分が気持ちいいなど中二病にも劣っている痛さだ。

「うそつけ、そんなんで人は死なん。俺の時はもっと苦しかった」

もっともそれは自分を殺そうとした二人が相手だから、かもしれないが。
だからこそ最大限の屈辱を。死に勝る苦しみを与えたい。与え続けたい。
そういった昏い感情と共に言い訳だと自らをあざ笑う声が胸中で木霊する。

(堂々巡りだな、5年前から悩みの内容がまるで変わってない)

結局、何をしていても悩んでしまうのだから今は体の興奮を解き放ちたい。
股間の熱を放出して、喘ぐ女の穴にまた(・・)種を付けてしまいたい。
だってそうすればきっとこいつの顔は屈辱にゆがむことだろうから。

「あひぃっ!!」

それを思うとやはり動きがより激しく強くなっていく。
相手の事を考えないというよりは単にそこの穴を使っているだけの腰使い。
乱暴ではないが一度絶頂した彼女でなければ痛いだけの激しさだ。
ゆえに今にも壁についた手が滑りそうで、床に立っている片足が力尽きそう。

「んふぅっ! ゆ、ゆっくりしてぇっ、やあぁ、はあっ、ああっ!」

ちょうどスリットから抜け出すように床に立ち、男の肩に乗る足に力がこもる。
無意識に倒れまいとする動きだったのだが、その体勢で下半身に力が入れば。

「うっ、いいぞ、いい締め付けだ!
 よしっよしっ、来たぞっ、出すぞっ、出すぞっ、出すぞ!!」

意図はどうであれ彼の男根を締め付け、最期のきっかけを与えることになった。

「いやっ! 膣内なかはもう許し、あはぁっ! んひょおぉっ!?」

悲鳴のような叫び声をナオトは亀頭を子宮口に叩きつけて黙らせる。
正確には衝撃で思考を一時的に飛ばしただけで嬌声は出続けている。
開かれた口からは際限なく声と涎が流れ落ち、瞳に正気は宿っていない。
嗜虐的な悦びを覚えながら最後の突き上げと共に最奥に亀頭を押し付ける。

「やあっ、ああああああぁぁぁっっ!!??」

イカせる意図は無かったが何度目かの絶頂の中で彼女の子宮は受けとめた。
彼女を孕ませようとする凌辱者の遺伝子の濁流を再び。

「んはぁ……ぁぁ……」

ぴったりと隙間なく押し付けられた子宮に入り込む熱塊。
刷り込まれた(・・・・・・)体は当たり前のように絶頂を迎えて、脱力する。
同時に彼女の脚を離したので再度ファリンは床に崩れ落ちることとなった。
大の字とはいかないが床に四肢を投げ出すように倒れた彼女の肢体。
乱れた髪が火照った頬に張り付き蕩けた瞳が彷徨っている姿は実にそそられる。
スリットが醸し出す太腿の色香も合わさって並の男なら再戦する所だろう。

「ふぅ、助かりましたファリン殿。おかげで苦しみから解放されました。
 さすがは才女と名高い司教殿だ。これでこれからの政務に励めるというもの。
 ああ、これもきっとイラーフ神のお導きなのでしょう」

深すぎるスリットのため前垂れのようになっているスカートで、
男根の汚れを拭いながら心底感謝したような柔らかな声を投げかける。
残念ながら彼は男ではあるがこの場では彼にとって彼女はただの穴。
欲情を感じる『魅惑的な人間の女』ではないのだ。

「……あはぁ、はぁはぁはぁ……おの、れっ、この悪鬼め」

息も絶え絶えながらも遠回しな自分とイラーフ教への嘲りが、
彼女の強い信仰心を刺激して意識を急速に浮上させる。

(さすがだね……神様を思う心だけは立派だよ、あんた)

皮肉気味に胸中でのみ感心するナオトである。
しかし彼女は胎内にある熱にかつて味わった恐怖と屈辱が脳裏に蘇る。

「ぁあぅ……またこんなに……はらんでしまう……また……」

神に捧げたはずだった貞操は操られて王に捧げさせられた。
神聖な女の宮は今日のように容赦なく子種で埋め尽くされ汚された。
初めての体験で、初の懐妊をさせられて、出産までさせられた。
すべて、神の家たるイラーフ教の教会の中。その神の像の前で。

「孕んだら報告するようにな。前と同じくバレないように全力で力を貸そう。
 万が一おろしたいと……ああ、イラーフ教では堕胎は禁忌だったな」

あれをまた繰り返されるのかと青ざめる彼女にさもいま気付いたような声。
かの宗教では授かった命をないがしろにする行為は許されていない。
そもそも司教以上の地位にある女性聖職者は姦淫も許されていないのだ。
事実が露呈すればそれだけですべてが終わる。地位も名誉も無くす。
それ以上に生命の営みすべてを侮辱するかのような行為でもあった。

「くっ、おんなのからだを、命を育むことをなんだとっ」

「じゃあお前は命を殺すことをどう思ってるんだよ?」

あまりに軽薄に行われる命を生み出す行為に憤れば冷たい声が返ってくる。
そして赤い液体の入った透明な小瓶を取り出して彼女にちらつかせた。

「っ、それは!?」

「イラーフ教特製の不思議なお薬さまだ。よく知ってるだろ?
 効果は熱が出てめまいがして咳が止まらず風邪のような症状が出て、
 翌日には肺がやられて呼吸困難となって病死してしまうお薬。
 そのくせ後でいくら調べてもこの薬の痕跡はでないという奇跡のお薬」

優しい声で薬と表現されているが実質それは毒でしかない。
それも恐ろしいまでに暗殺向きの毒であり、かつて彼に盛られた毒だ。

「知られてないとでも思ったのか?
 俺の行動を自分と同じ邪魔者の排除と勘違いしてくれて助かったよ。
 おかげでこれの入手と成分調査やら何やらがうまく進んだ」

実際は勇者帰還の一報により最初に考えたものを洗脳で固定しただけだが。

「よく死ななかったと自分でも呆れる。
 勇者補正で上がった生命力のおかげなのはいうまでもないがな。
 おかげさまで一週間はその状態が続いて死の淵をさまよったけどね」

召喚されてすぐに親切顔で近寄ってきたファリンは毒殺を企てた。
それまで勇者召喚は眉唾物だと思っていたが実際に召喚されて焦ったのだ。
──本当に彼が救世してしまったらイラーフ教の立場が、なくなる
姿を現さず厄災を防げない神の教えと実際に救世した勇者の言葉。
どちらがより強く人々を引き寄せて『信』を得るかは考えるまでもない。

「ったくそんな人殺し風情が命がなんだといっても説得力ないぜ。
 人を殺してはいけませんって、習わないのかねお前たちは?」

未だに起き上ることもできない彼女を見下ろしてあざ笑う。
“お前たちの宗教はそんな当たり前の事も教えないのか”と。
事実が発覚したのは乗っ取ったあの日に本人から聞き出して、だ。
それまでは異世界の風邪にかかったのだと本気で信じていただけに、
親切だったと好印象だっただけに、その怒りと憎しみは激しかった。
それがふたつめの事情。そんな相手に何をしても罪悪感すら湧いてこない。
けれどそれに対してファリンは毅然とした顔ではっきりと言い返す。

「殺人はもっとも許されない罪だと教えにはある。
 されどイラーフ神のために罪を犯す覚悟を持ってこそ真の信徒だ」

「ハッ、こりゃ傑作だ。
 神様を言い訳に人を殺そうとするか。最低の信者だな」

もっともその理屈を本人は大真面目に語ったつもりだが、
彼からすれば鼻で笑ってしまうような責任転嫁にしか聞こえない。

「黙れ! いずれお前には神罰が下る。
 このような悪行がいつまでも許されるものか!」

「そういってもう5年だがな……まあお前と宗教論争するつもりはない。
 出すものは出せたからな、あとは好きにしろ、じゃあな」

「あっ、待てこのっ悪魔め! 神はお前のような存在を許しません!」

変わらぬ主張を5年前から繰り返す人形のようだと思いながら背を向ける。
宗教意識には何も洗脳などしていないだけに純粋な信仰心の高さからだろう。
あるいはたんに頭が固いだけの盲信者なだけかもしれないが。
後ろで騒ぐ声が延々と響くがそのどれもが彼の心には全く響かない。

「本当に司教ならもっと心に訴える説法でもしてみろってんだ。
 しかし楽でいいよな。そうやって悪い奴を作って責めてれば、
 その間、自分は『善』でいられるんだから…………」

それを信じて、思い込めればさぞ楽で簡単な人生だろう。
そんなものをヒトの生き方だとはナオトはまったく思わないが。
───まあ、俺が悪なのは間違いないがな
思わず苦笑を浮かべながら彼は王の執務室へ向かう。

「さて、今日もお仕事頑張りますか!」

そしてそう自分に言い聞かせるように口にするのだった────

ファリン司教への仕打ち甘くね?とお思いの方。
大丈夫、これまでの仕置きはまだ前座だから!
たまに犯される程度なのでかなり強気に反抗している。
会った時怯えてたのは、昨日姫王妃がされたことを知れば、ねぇ。
このシーンは穴扱いできれば作者的にも誰でも良かったという。
既存キャラだと合わないのでこの先出る予定だった彼女になった。
しかし前半エミィが中途半端だったからおまけのつもりだったのに。
穴だけ使う自慰なので読んでる方のエロスを刺激できるかはこれまた微妙。

次こそは!

とせっせと書いております(苦笑)
けどその前に定番の人物紹介とか。
おざなりになってる道具の説明集とか作った方がいい?
意見をお待ちしております。
※いらないという意見が多かったのでやめます。
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