こんにちは、給与計算教室です。
もう今年もあと1か月を切ってしまいましたが、いかがお過ごしですか。師走ということでなにかとバタバタされている会社も多いかと存じますが、そのバタバタ要因のひとつに「年末調整」が挙げられるのではないでしょうか。もう取り掛かる準備はバッチリですか?えっ、まだ全然?従業員に書類も配布できていない。。?大丈夫!まだ間に合います。なぜかというと先日ご紹介したクラウド給与計算ソフト freee(フリー)に待望の年末調整機能が追加されたからです!!!
年末調整に対する心構えを改めよう
まずこれを読んでる社長・給与担当者さん、「年末調整はとにかく大変だ」という周りの声のせいで、必要以上に身構えてしまっていませんか?たしかに大企業だと人数も多いしイレギュラーもたくさん発生して、なかなか一筋縄ではいきません。でもちょっとした少人数の規模なら話はとってもシンプル。正直言って、ほんの数時間で終わるはずなんです。
なのに、いったい年末調整のなにがそんな不安な気持ちにさせるのか。原因は主にこの2つでしょう。
- 従業員への書類配布・回収作業が面倒。記入方法も複雑
- ソフトの操作方法がよく分からない・エクセルでどうやって処理すればいいのか手探り状態
でも今年は少し肩の荷が下りるかもしれません。この給与計算ソフトfreeeの年末調整機能、わたくし早速使ってみたのですが、手順がすっきり簡潔に整理されており、担当者の負担もかなり軽減されたものになっていました。以下、年末調整の仕組みを説明しながら中身をご紹介いたしますので、ぜひリラックスした気持ちで年末調整に向き合ってみてください。もう毎年ヒーヒー言ってた自分にサヨナラ、ささっと片づけ晴れやかな気持ちで年末年始を迎えましょう!
freee | クラウド給与計算ソフト
年末調整の仕組み
そもそも年末調整というのは、ひとことで言うと所得税の清算手続きのことです。この1年間、従業員のお給料から毎月所得税を天引きしてきたと思うのですが、それはあくまで(仮)の金額。実際には、扶養家族が大学生の年齢だったりご高齢だったり、あと自分で生命保険料や国民年金保険料など支払っていた場合、もう少し安くなるんですよ。ちょっと図にしてみましょう↓
※住宅借入金等特別控除は所得税額から控除する形になります。今回は省略させてください。
たとえば、会社の売上全てに法人税率をかけるわけじゃないですよね。売上から人件費などの経費を控除して、最終的に残った利益に対して税率をかけると思います。
個人の所得税も同じで、その人の年収全てに税率をかけるのではなく、図にある①〜④の控除をしていったあと、残った金額(課税所得といいます)に対して税率をかけます。その金額が、あらかじめ1年かけて徴収してきた所得税の合計額より大きければ追加で徴収する必要があるし、小さければ「取りすぎちゃったね」ってことで還付してあげる必要があるわけです。
で、①と②は通常のソフトなら自動で計算されると思いますが、手動の場合いちいち国税庁の表などを参照しながら算出しないといけません。もちろんエクセルで計算式組んでもいいんですが、25年分から法改正があったりで数字も変わったりしますし、②の基礎控除なんかはうっかり見落としてしまう会社さんも結構多いと思います(全員一律38万円控除できる仕組みです)。
そして面倒なのが③と④。。③は扶養親族がいたり、自分が障害者や寡婦だったりする場合、ある一定の金額が控除される仕組みで、わざわざ扶養控除申告書という書類を使って報告させる必要があります。
④は前述のとおり、自分で生命保険料や国民年金保険料を払っていた場合に控除される仕組みですね。これまた書き方がやっかいな、保険料控除申告書という書類を使って報告させます。
文字も小さくてごちゃごちゃ。これじゃあ書き方も間違ってしまうし、もっとスマートにやる方法はないもんかね。。と毎年思うんですよね。思いませんか?そして①〜④の処理がクリアできたとしても、このあと税率(これまた細かく区分されている)をかけて、最終的な所得税額や還付・徴収額を算出しないとだし、あっあと源泉徴収票ですよ源泉徴収票!年末調整の計算結果として、来年1月末までに源泉徴収票を作成して従業員に渡さなければいけません。ただでさえ忙しい年末、このへんできれば全部、一発ポンと自動で処理したいところ。。誰かー!
freeeで年末調整をやってみると
ここでfreeeさんの登場です。いったいどういう感じになるんでしょうか。前回の記事で説明した、ホーム画面の一番右に年末調整タブがありますので、早速クリックしてみましょう。
このような画面が現れましたよ。ずいぶんスッキリな印象ですね。どうやら左から順番にこなしていけばよさそうですが。。たったの4ステップ。。???
とりあえず、まずは①の初期設定です。といっても住所とか入力するだけ。最後に説明する帳票類に印字されますので正確に。
次の②は従業員への入力依頼、とありますね。試しに送信してみましょうか。
すると従業員たちにこのようなメールが届きました。
必要な情報を入力せよということなので、URLをクリックすると。。そう、今まで従業員に配って書かせていた2種類の書類が、このような画面に入力できる形となって現れましたよ。
こうやって、システムを用意して従業員に直接情報を入力させるのは大きい会社だと珍しいことではないのですが、たいてい年末調整ソフトとは別のシステムになっており、いったん入力されたデータを今度は年末調整ソフトのほうへ取り込む、という作業が発生したりします。でもfreeeの場合クラウドなので、ここで入力された情報はそのまま、後に出てくる管理者側の画面に反映されるんですね。
実際に給与太郎さんが入力している様子をのぞいてみましょう。こちらは扶養控除申告書の部分。
書類がフォームになっただけで、ずいぶんと記入のハードルが下がるのではないでしょうか。構成も書類と比べて断然分かりやすいと思います。また、それぞれ「?」アイコンにマウスオーバーすると簡単な説明が表示され、箇所によってはクリックすると国税庁の解説ページにとべるようになっていますよ。
次は保険料控除申告書の部分。
入力項目を最小限に抑えており、プルダウンで選択できるような箇所もありますね。あとなんといっても、書類には自分で控除額を計算しなくてはならない欄がありますが、この画面では支払金額を入力すればそれでOK。控除額はあとで自動で算出されます。あ、ただ注意点として、ハガキに書いてある「証明額」ではなく「参考額」のほうを入力するようにしてくださいね。
さて従業員それぞれが入力を終えたら、順次③の確定作業にはいります。従業員各人の年末調整画面にとんでみるとこんな感じです。長くてちょっと見づらいですが。。
- A:freeeに登録されていない情報の入力
- B:従業員の入力内容の確認
- C:最終的な年調年税額・還付or徴収額の自動計算
Aでは主に、年の途中に入社してきた方の、前職分の給与・社会保険料・所得税額の入力ですね。源泉徴収票を見ながら、間違えないように入力しましょう。
Bでは、さきほど従業員が入力していた画面がそのまんま表示されていますよ。ここで念のため入力内容をチェックしましょう。よく間違われやすい点については前回のブログに書いたので、参考にしてみてください。
そしてそして、AとBを入力・修正したりしていると、Cも連動して自動的に計算が走ります。ということは、ゴールである年調年税額・還付or追徴金額が勝手に出来上がっている、というわけです。ほんとに?ほんとに!!
適当に金額入れちゃったので、かなりの還付になってますがそこはスルーで。。まあでもこれで無事に計算は終了ということになります。あとは一番下の「確定する」ボタンを押してください。確定すると、各人の給与明細書に還付額or徴収額が反映されるようになっています。
それと前回の説明にも出てきましたが、もちろんこの情報はクラウド会計ソフトfreeeにも連携可能ですよ!
いやーしかし、ほんとにすぐ終わってしまった。。
出力できる帳票類
最後は成果物として源泉徴収票や、あと市区町村に送る給与支払報告書も作成するのですが、ただこちらは近日公開予定とのこと。確定した従業員のものから源泉徴収票の出力ボタンが表示されているので、来年1月末までに忘れず配布しましょう。
また少し戻りますが、従業員の入力画面左上にも「PDF(準備中)」というボタンがあったと思います。クリックすると、入力内容が反映された扶養控除申告書・保険料控除申告書のPDFが作成できるのですが、こちらも近日公開予定とのことです。税務署の承認を受けていない限り、紙での保管が義務づけられていますので忘れずに印刷し、保管してくださいね。
ちなみに、毎月所得税を納付するときに使用する「所得税徴収高計算書」はこれまでも出力できましたので、ぜひ活用してみてはと思います。
以上が給与計算ソフトfreeeさんの年末調整機能となります。これで年末調整に対する苦手意識が少しでも減るといいんですが。。そう、年末調整なんて怖くない!!
あと最後に
運営会社のfreee株式会社さんについてですが、エンジニアさんをはじめとても優秀な方がたくさん集まっている会社だと伺っております。なのでこれからもどんどん機能改善をしてさらに使いやすいソフトにしていってくれるのではないかと勝手に思っているわけですが、やっぱり給与計算に限らず経理とかそういうバックオフィス業務に関するサービスって、今まであまり進歩のない世界だったと思うんですよ。いやまあ特に昔を知ってるわけでもないんですが、、
でも「こういうソフトが当たり前」とか「こうやるのが普通!」っていう考えが染み付いちゃってる分野だよなって、今回記事を書きながら改めて思いまして。そこに何の疑問も持たずにやってきた人がほとんどな中、freeeさんをはじめとするベンチャー企業がこういう新しいプロダクトに取り組んでいるっていうのは非常に喜ばしく歓迎すべきことだなと思ったんですよね、なんかめっちゃエラそうな物言いですけど。。とにかく、これからもいろんな便利なサービスがこの業界の中でも誕生してほしいと願っているし、私も微力ながらその手伝いができればいいなと思いました。
はい、ではこれにて、2回にわたってお送りしてきました給与計算ソフトfreeeさんの紹介を終わります。それではまたお会いしましょう、さようなら〜