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 記事で韓国の朴槿恵(パククネ)大統領の名誉を傷つけたとして罪に問われた産経新聞の加藤達也・前ソウル支局長(48)は27日、ソウル中央地裁で始まった裁判で無罪を主張した。「報道の自由」の観点からも注目される裁判は、①記事の事実関係②誹謗(ひぼう)する意図③朴氏が処罰を望んでいるか――などが主な争点となる見通しだ。

 加藤前支局長側は27日の初公判で、当事者や政府関係者らに確認しないまま記事を書き、虚偽の事実で朴大統領らの名誉を傷つけたとする起訴内容を否認。全面的に争う姿勢を示した。法廷では、今後の進行についても意見が交わされた。

 問題にされたのは8月に同紙のウェブサイトに掲載された「朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明に…誰と会っていた?」と題した記事。国会審議や韓国紙・朝鮮日報のコラム、証券街の情報を引用し、朴氏が事故当日に元側近の男性と会っていたという「うわさ」があることを伝えた。