民主党のマニフェストを見ると、政策論ではアベノミクスに勝てないといわざるを得ない。
アベノミクスのキモである金融政策について「『国民生活に十分配慮した柔軟な金融政策』を日本銀行に求めます」としており、現在の緩和政策にブレーキをかける趣旨だと受け取れる。金融政策は雇用政策であるという世界の標準的な考え方を、なぜ左派系政党の民主党が認められないのか理解に苦しむ。
「インフレ目標を法的にも確立するため、雇用の確保と合わせて日銀法を改正する」とすれば、今のアベノミクスをさらに進化させ、民主党らしい政策になったはずだ。そのチャンスをみすみす逃しているのは、国民にとって残念だ。
また、「増え続ける非正規雇用」という批判は、逆にアベノミクスの正当性を裏付けている。経済政策として一番重要なのは、職を作ることだ。アベノミクスで就業者数が100万人程度増えたのは、失業がなくなったわけで、なにより大きい。正規雇用が減っているといっても、正規の定年退職者が多いことが主因である。それに、失職者がいきなり正規というわけにもいかない事情がある。
現状認識のところで、「GDPが2期連続マイナスに! アベノミクスは期待はずれ」「実質賃金が15カ月連続マイナス」とあるが、これらは、アベノミクスではなく、民主党が政権時に法律を成立させ、安倍晋三首相が衆院を解散する直前まで賛成していた消費増税のせいである。
経済政策としては今の時期の消費増税は間違いだが、政治的な観点では、消費増税を言い続けるのは一つの戦法だ。