大人気海外ドラマ「ウォーキング・デッド」がPS3やiOS、PCでゲーム化されてたけどクソゲーだった。その理由とレビュー。シーズン1の全エピソードをプレイした結果、死にたくなった。PC版は日本語化すれば物語を十分理解できる。
目次
ウォーキング・デッドがクソゲーである理由
はっきり言います。ウォーキング・デッドはクソゲーです。
「クソつまらないゲーム」という意味でのクソゲーではありません。
「自分がどれだけクソな人間なのか気づかせてくれるゲーム」という意味でのクソゲーです。
ゲームの内容を簡潔に言うと、少し「かまいたちの夜」に似た、アクションが多少あるアドベンチャーゲームです。DayZがドラマ化したような感じ。
選択肢によって主人公の運命が変わります。小説のようなゲームといったところでしょうか。
ゾンビだらけになった世界でどのように生きていくか、という物語がドラマ形式で展開されます。その中でプレイヤーは人の命に関わる問題にぶち当たったり、難しい決断をせまられるわけです。
ただただつらい。生きているのが嫌になる。プレイ中は最低最悪な気分になります。
「なんで俺はあそこであんな決断をしたんだ!?」
「あいつの意見に賛同していたら、こんなことにはならなかったはず…」
物語はそういう後悔を無視して颯爽と進んでいきます。
海外ドラマ版のウォーキング・デッドもそうなんですが、ゲームの方も物語がしっかりと出来ています。だから、次のエピソードがどうなるのか気になって仕方がない。
いつのまにか主人公に乗り移っていた
主人公を操作して銃を撃ったり、ゾンビを素手でやっつける場面があります。他にも簡略化してもよさそうな場面がかなりある。
例えば、穴を掘る場面では一回のクリックで一回しか掘れない。何度かクリックすることで穴掘りが完了します。
わざわざプレイヤーに手間をかけさせることで、主人公とプレイヤーを一体化させようという意図なのでしょう。
そのおかげなのか、主人公に憑依してしまった。悪口を言うキャラに対してイラッときたり、キャラによって態度を変えたりすることが当たり前のようになっていきました。
精神をすり減らすゲームでもある
ウォーキング・デッドでは皆の命に関わる問題や人間関係のイザコザで発生した問題に対し、必ず回答する必要があります(沈黙も含む)。
八方美人として生きるか、一部の人たちから嫌われるか、あるいは無視を突き通すか。いずれにせよ、派閥闘争に巻き込まれるので精神的に疲れる。
誰と仲良くすべきで、誰を切り捨てるべきなのか。そういうことを常に考えないといけません。
他人の命を左右する選択肢が突然でることがあり、その時は焦る焦る。考える余裕がないので生き残って欲しい人を反射的に選んでしまう。
結果によっては仲間にグチグチと文句をずっと言われ続けるので、本当に落ち込みます。ゲームのキャラに「そんなこと言ったってしょうがないじゃないか」と言ってやりたくなった。
本当に安く買いたかったらHumble Bundleを待った方がいい
Humble BundleのHumble Weekly Saleで他のゲームもたくさん付いて約5ドルで買いました。
初めは英語でプレイしたのですが、意味をよく理解せずにエピソード1が終了。その後日本語化して一気に全編をプレイしました。
PC版を安く購入したいのであれば、SteamやHumble Bundleのセールを待つと良いでしょう。そのかわり、PC版は日本語に対応していません。自分で日本語化する必要があります。
The Walking Dead(ウォーキング・デッド)を日本語化する
PS3では日本語字幕版が発売されているみたいです。
PS3以外に、iOSやAndroidでもプレイできるそうです。日本語でプレイできないようですが。
iTunes の App Store で配信中の iPhone、iPod touch、iPad 用 Walking Dead: The Game
Android版はKindle Fire HDXでないとプレイできないのかも?
また、シーズン1のDLCとして”The Walking Dead: 400 Days”が発売されています。
Steamでは既に続編の「The Walking Dead: Season 2(ウォーキング・デッド シーズン2)」も発売中。
まだシーズン1すらプレイしていない人はSteamでシーズン2のページを見たり、ググったりしない方がいい。なぜなら、ページ自体がややネタバレ気味になっているからです。
久しぶりに自分と向き合った。哲学的なゲームでした
果たして、あなたは人としての尊厳・道徳心を保てるでしょうか。一人の人間として生きるのは想像以上に難しかった。
きっとあなたも人としての一線を越えてしまう。
このゲームは、「自分の感情を観察するゲーム」と言ってもいいでしょう。悲惨で、絶望的で、どうしようもない場面に出くわした時、どういう決断をくだすのか。
その後の結末を見て、自分自身はどう感じるのか。そういうゲームでもある。
このゲームをプレイすれば、必ず自己嫌悪におちいります。自分がとんでもないクズ野郎だということに気付かされるのです。
本当にクソみたいな気分になる。でも続きが気になって次のエピソードをプレイしてしまう。
目を背けたくなる場面が多々ありますが、逃げることはできません。
一瞬の迷い・判断ミスで死んでしまうかもしれないという緊張感。一気に状況が変わる急展開。
心の奥深くにある最低最悪なクズ的要素をこれほどまでに引っ張りだしてくれるゲームは、きっと他にはない。
物語が進むにつれ、自分がどんどん打算的な方法で生き残ることを選ぶようになっていきました。自分でも気付かないうちに自分の中でクズ化が進行していたようです。
自分自身をクズだと思っていない人は、自分自身がクズだということに気付かされるでしょう。
自分自身をクズだと思っている人は、さらにクズになるでしょう。
本当にひどいゲームだった。
全てのエピソードを終えた時、放心状態で何も手につかなくなった。
シーズン2がHumble Bundleに出たら速攻買うね。絶対に。
傑作海外ドラマ「ウォーキングデッド」を観たことがない?
ゲーム版ウォーキングデッドをプレイする前に、ドラマの方のウォーキングデッドを先に観たほうがよりゲーム版を楽しめる。
huluなら、無料期間中に解約すればお金はかかりません。
huluの場合、観られる時期が各シーズン決まっているようで、いつでも全シーズン(全話)観られるわけではありません。ただ、dビデオのように画質は悪くなく、HD画質で観られます。
まだウォーキングデッドを観たことがないなら本当にもったいない。一度観てしまったら休暇が全部ウォーキングデッドに盗られちゃいますが、無料期間中にほとんどのシーズンを観て予習してみるのはどうでしょうか。