ここから本文です

暖房切れ、極寒車内に8時間 乗客同士励まし合って JR仙山線

産経新聞 12月3日(水)23時2分配信

 3日朝から停電で運転を見合わせていた山形市のJR仙山線は午後5時25分ごろ、全線で運転を再開した。山寺(やまでら)−面白山高原(おもしろやまこうげん)間で約8時間にわたって立ち往生した山形発仙台行き快速列車の乗客283人に体調不良を訴えた人はいなかったという。

 JR東日本仙台支社によると、列車が止まったのは宮城県との境に近い山中。車内の暖房も切れ、同支社は車内の乗客に食料やカイロを配布した。

 同社は午前11時ごろから除雪作業と木の伐採を開始。停電は午後3時ごろに復旧し、列車は現場から約4キロ引き返して山寺駅に到着した。

 山寺駅で降りた乗客たちは、ほっとした表情を見せた。停電した車内では「寒いけど頑張りましょう」と、乗客同士が声を掛け合っていたという。乗客は、そのまま列車で山形に戻ったり、代行バスで仙台に向かったりした。

 16人が乗った代行バスは午後5時40分ごろ、仙台駅に到着。山形市の専門学校生、布施裕司さん(20)は「突然列車が止まり、携帯電話もつながらず、何が起きたか分からなかった」と困惑した表情を浮かべた。携帯音楽プレーヤーで音楽を聴きながら気を紛らわせ、「早く車内から出ることだけを考えていた」と振り返った。

最終更新:12月4日(木)0時38分

産経新聞

 

PR