東洋経済オンラインで連載をもっている。
「若き老害」常見陽平が行く。サラリーマンいまさら解体新書
という連載だ。
本日、公開した記事が1時間単位のアクセスランキングで1位になった。24時間ランキングでも現在2位だ。
プロ格闘家でも逃れられない「学歴」の壁 静岡県警を2カ月で辞めた早大卒の青木真也が語る
格闘家青木真也氏、アスリートを応援する人材ビジネス企業アスリートプランニング執行役員蔭山氏との鼎談だ。
嬉しくて涙がでた。
このサイトで連載を持つことは、私にとっての夢であり、そして、これを人気連載にすることは目標だった。まだ、いくつかの記事のPVがハネたにすぎない、といえばそれまでだ。「人気連載になった」とまだ言える状態ではない。
でも、冠連載を持たせて頂くということは、PVでも、新しい読者を獲得するという意味でもサイトに貢献しなければならないわけで。その第一歩くらいは踏み出せたと言えると思う。ネット上で日記を書き始めて14年、ブログを始めて10年、ネットニュースを書き始めて8年。先輩はたくさんいるし、まだまだなのだけど、とはいえ、冠連載を持たせてもらう立場での、プロとしての責任の第一歩を果たせたかと思っている。
プロって何だろう。
この2年くらいずっと考えていたことだ。特に今年は、先輩著者との仕事を増やしたり、違う分野のプロと会う機会を増やした。ここ数週間でも今回、対談した青木真也選手や、久々に会ったメタルドラマー、さらには、最近武道館が決まった友人ミュージシャンのプロ論に、感激し、自分もまだまだだなと思った。
ここで言う、プロとは何かというのは、別にカッコ良い話になるわけでもない。実はやりたくないことも含めて、ちゃんと期待されていることをやるという、そういうことだ。
例えば・・・
「おい、May.J、おまえ紅白で四の五の言わずにアナ雪歌っとけ、できるだけ上手にな。間違っても自分のオリジナル歌いたいとか言うなよ。ぜ っ た い に だ」
という、そういう話も含めてだ。
東洋経済オンラインで自分に課した目標は、PVでトップになる、しかも、いかにも煽り記事でPVトップになるのではなく「ああ、言ってくれちゃった」という本音を伝える、ちゃんとサイトに自分のファンを連れてくる、この連載のファンを増やす、ポジティブな論争を起こす、優秀な編集者と伸び盛りの若いアシスタントとのチームワークを大切にしこのチームでのベストな良質コンテンツをつくる、ということだ。
まだ全部はできていない。ただ、その一歩くらいは踏み出せているかなと思った次第だ。
なんせ、世界の青木真也選手を担ぎだして、1位をとらないと彼に申し訳ないし。ただ、彼の知名度だけで1位をとったわけではないと、断言できる。そして、「格闘技ライターだと聞き出せない話を、気持ちよく語ってもらう」ことにこだわったのだ。
青木選手に重ねて言うならば、これはメインイベンターみたいなもので。ここで1位の責任を果たせないとダメだろと思っていたわけだ。
ちょうど今週は、ヤフー・ジャパンさんのYahoo!個人のカンファレンスにも参加していた。このカンファレンスをきっかけに、私はYahoo!個人ではしばらく書かないことにした。
いや、退出する際に出入り口のスタッフ全員に無視されたこともそうなのだけど、社長や、責任者のスピーチに?と思う部分があったからだ。
社長は「一番オーサーを大事にするサイトを目指す」という趣旨のことを言った。責任者は料率アップ、PVアップなどの施策を発表した。オーサーの賞もつくるという。その賞はPVを評価指標に含まないという。
明らかにお金のかかっているイベントだった。本気を感じた。
ただ、それぞれ想定の範囲内ではあった。
結局、このサイトはプラットフォームなわけで。
その後、責任者は「将来は、ピュリッツァー賞をこのサイトから出す」と言った。いや、意識の高い、決意表明だったのだと思う、本人や、ヤフー・ジャパンさんとしては。
ただ、申し訳ないけど、私は逆にこれにひいてしまった。というか、これ率直にカチンときてしまったのだ。
ピュリッツァー賞を舐めるな。軽々しく口にするな。
あくまで成果対応の報酬で、しかもお金がどれだけ入るかも分からない。取材費を先に出してくれるわけでもない。担当者が今後は手厚くフォローするというが、これまでも「このネタが旬なので書いてください」と連絡くれるレベルの方に、そう期待はできない。
仮にそういう賞がここから出たとしても、何かこう、著者の手柄を横取りしている感があったのだ。
いや、ヤフー・ジャパンさんとしては練りに練った戦略だし、大きな志なのだろう。ネットに詳しい方は評価するのだろう。
ただ、私には響かないというか、価値観が合わないと思った次第だ。私ごときにアカウントを頂き、大変ありがたいのだが、ちょっと合わないなと思った次第だ。ここで懐柔されたら、負けだ、と。
担当者からはお詫びのご挨拶に行くとのメールもきたが、無視した。会うだけ時間の無駄だ。
その時間があったら、私は、東洋経済オンラインの連載の編集者、アシスタントのマイキー山本と一緒に、もっともっと悪巧みをしたいのだ。明日も、明後日も、週明けもこの連載のためのアポが入っている。自分が逆立ちしても勝てないくらいの、著者と対談したりする。書きたくてしょうがないというポジティブな衝動がわいている。
日本のネットニュースがピュリッツァー賞(って書くだけで申し訳ない)をとれるとしたならば、私はこのサイトで、この仲間と目指したい。
よく、前任の佐々木紀彦氏が東洋経済オンラインの成長の基盤を作ったというが、私はいまのスタッフたちと仕事をしていて、その言葉を疑っている。このたび5ヶ月連続でPVを伸ばした。それは優秀なスタッフたちが全力投球しているからだろう。
というわけで、いま、私はこのサイトと仕事をするのが最高に楽しい。私はシステムよりも人、チームを選ぶことにした。
言ってみれば、たかが記事一本のPVなのだが、自分としての目標の大きな一歩を踏み出すことができた。
ありがとう。