2014年12月4日00時18分
14日投開票の衆院選について、朝日新聞社は2、3の両日、約6万人の有権者を対象に電話調査を実施し、全国の取材網の情報も加えて選挙戦序盤の情勢を探った。現時点では①自民は単独で300議席を超える勢いで、公明とあわせて定数の3分の2(317議席)を上回る可能性がある②民主は公示前の62議席から上積みするものの、伸び悩み、100議席には届かない公算が大きい③維新は公示前の42議席から後退、次世代も公示前の19議席から1ケタになりそう④共産は公示前の8議席から倍近く増える見通し――であることが分かった。
調査は、全295小選挙区の中から全国の「縮図」になるように選んだ150小選挙区の有権者を対象にし、調査結果を約2倍にするなどして全国の情勢を読み取った。調査時点で投票態度を明らかにしていない人が小選挙区で4割以上、比例区でも3割以上おり、今後、情勢が変わる可能性もある。
自民は過半数(238議席)はもちろん、公示前の293議席を超える勢い。小選挙区では、都市部も含め、200議席を大きく上回りそうだ。比例区も好調で、前回2012年衆院選で獲得した57議席を超え、現行制度で最多だった05年衆院選の77議席に迫っている。12年衆院選で善戦した「第三極」が離合集散し、失速したため、自民が無党派層の受け皿になっているとみられる。
公明も小選挙区、比例区とも堅調で、公示前の31議席を確保しそうだ。
民主は小選挙区は北海道や愛知県などで議席を積み増し、公示前の25議席から10議席前後は上積みしそうだ。しかし、海江田万里代表(東京1区)はやや厳しい戦いを強いられるなど、復調しているとは言い切れない。比例区は公示前の37議席を上回るかどうか。
維新は40議席を割り込む見通し。小選挙区は、地盤の大阪府も含め、不振で、公示前の13議席から1ケタに落ち込みそうだ。前身の日本維新の会は12年衆院選で比例区で40議席を獲得したが、今回、維新は30議席を割る可能性が出てきた。
次世代は熊本4区などで議席を維持しそうだが、比例区での議席獲得は微妙。共産は、比例区で00年以来の2ケタの議席獲得が有力になってきた。
生活は公示前の5議席を下回りそう。沖縄3区で優勢だが、小沢一郎代表(岩手4区)は接戦を強いられている。社民は沖縄2区でリード。過去議席を維持してきた比例区九州ブロックでも1議席を得る可能性もある。
みんなの党の代表だった渡辺喜美氏(栃木3区)はやや苦しいが、後任の代表だった浅尾慶一郎氏(神奈川4区)はやや有利な情勢だ。
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《調査方法》 コンピューターで無作為に作成した番号に電話をかける「朝日RDD」方式で、150小選挙区を対象に実施した。各選挙区の有効回答の目標数は400。世帯用と判明した番号は全国で10万3392件で、うち6万759人から有効回答を得た。回答率は59%。
調査対象となる150小選挙区は、過去の衆院選での各党の獲得議席数や地域的なバランス、今回調査前の取材による情勢を考慮し、統計的に全295小選挙区の「縮図」になるように選んだ。激戦が予想されたり、話題の候補者がいたりする注目区でも、調査対象になっていない選挙区もある。
予想議席数は、小選挙区については、調査結果をほぼ2倍し、比例区については、有権者数に応じて、推計した。
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