絞りを“開ける”撮影テクニックをお届けした前回にを踏まえ、今回はセカンドステップ“絞る”です。一眼ならではのボケを簡単に楽しめる、レンズの開放値(レンズの一番明るい数字)に慣れたら、次は効果的に絞る撮影事例を紹介します。
明るいレンズを使って写真を撮っていると、例えば「旅先での記念写真、背景がボケすぎて、どこなのか分からなくなっちゃった……」なんていう経験はないでしょうか。F1.4やF2.8では、イメージしているよりもボケすぎてしまうケースがあります。
こういった場合はF4やF5.6などを使って、何枚か絞った写真を撮っておくのがお勧めです。あとでイメージ通りのボケ感の写真をその中からチョイスしましょう。
静物を撮影すると、「手前にはピントが合ってるのに、ピントを合わせた位置から遠くなると段々ボケているな……」ということがあると思います。オークションに出品する商品や見渡しのよい風景などでは、手前から奥までしっかりピントを合わせて全体をはっきりと見せたいものです。
そんなときはF8やF11まで絞ると、ピントが背景までしっかりと合ってきます。F8やF11でもボケる場合は、レンズをできるだけ広角にしたり、カメラと被写体の距離をできるだけ離すことがポイントになってきます。
F8やF11まで絞る感覚が身に付くことにより、前回学んだ“開ける”(ぼかす)ことと合わせて、両方の感覚が分かるようになってきます。
“開ける”と“絞る”という感覚が身に付くことで、シーンの状況や自身の撮影イメージに合わせて、
という3種の写真が撮りやすくなってきます。
実際にこの3つが適度に判断できるようになると、初心者から中級レベルにステップアップして、さらに好きなイメージの写真が撮れるようになってきますので、何度も練習しながら感覚的に覚えていっていただければ幸いです。
イメージ通りにシャッタースピードや絞りを操作できるようになったら、次は「構図」を考えていきたいと思います。更新まで、いましばらくお待ちくださいませ。
MAKOTO TSURUTA(つるた まこと)
元『週刊ゴング』カメラマン。スポーツで写真を学び、その後メーカー担当として首都圏量販店に常勤し、一眼レフカメラの販売を担当。現在Webプロモーションを得意とする活動の傍ら、写真をさらに楽しむコンテンツサイト「PHOTOWORK」http://photowork.jp/を運営中。個人サイトはhttp://one-cut.net/
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