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 沖縄県に駐留する米海兵隊の一部をグアムに移転させる計画について、米議会は予算関連法案に盛り込んでいた予算執行の凍結を解除すると決めた。解除を求めてきた日米両政府は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設計画にとってプラスになると歓迎している。

 日米両政府は、グアム移転計画の費用を86億ドル(約1兆200億円)と見積もり、うち28億ドル(約3300億円)を日本政府が負担することで合意している。しかし、米議会内で計画の実現性を疑問視する声があったことから、議会は日米政府が計上した予算について、一部を除いて執行を凍結していた。

 上院は2015会計年度(14年10月から15年9月)の関連法案(国防権限法案)にも凍結条項を盛り込んでいたが、上下院で調整した結果、凍結条項の削除に合意した。議会関係者によると、2日に提出された新たな法案には凍結条項が盛り込まれず、下院は今週、上院は来週にも法案を可決する見通しという。法案には来年度の移転関連予算約5100万ドル(約60億円)も盛り込まれる。