2013年02月24日号: ◎日本軍が中国でしたことは「略奪、強盗、強姦」−−“従軍慰安婦”の身体検査を行った元衛生兵が証言=1302240101  
執筆者: jp
発行日付: 2013/2/18
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 戦時中、植民地、占領地などから日本陸海軍がつくった慰安所(売買春施設)に集められ、軍人・軍属の相手をさせられた従軍慰安婦。安倍晋三首相は1月7日の衆院予算委員会で「(旧日本軍が)人さらいのように人の家に入っていって、慰安婦にしたことを示すものはなかった」と述べ、93年の河野洋平官房長官談話で示した慰安婦に対する強制性について、軍による直接関与を示す証拠の存在を改めて否定した。そんな中、かつて中国・山西省で衛生兵として「従軍慰安婦」の身体検査を行った経験をもつ引退牧師の松本栄好氏(91)が2月8日、「信教の自由を守る日記念講演会」(日キ教会・東京告白教会主催)で証言した。

 松本氏は福岡県柳川市出身。1942年、日基教会・柳川教会で受洗し、その翌年、久留米48連隊に衛生兵として入営。教育・訓練の後中国・山西省孟県へ出征した。所属する大隊は7大隊からなる、固兵団と称する7千人程の独立旅団。「報国女子挺身隊」の名目で、朝鮮総督府が各市町村から集めた40〜50人の慰安婦が連行されていたという。
 松本氏は「慰安婦は大隊本部にしかいなかったため、将校や下士官以下の兵隊たちが接触することは難しかったのではないか」と回想する。「だから兵隊たちは、中国人の部落を襲うごとに『ユウ ハオ クーニャン(いい娘はおらんか)』と叫び続けることになる。ある部落を急襲した時、逃げ遅れた7、8人の女性たちを連行して兵舎に閉じ込め、慰安婦にした」と証言。隊長も、軍紀があってないような前線の兵隊たちのそんな行為を止めることはできなかった。「衛生兵としての私の仕事は、彼女たちの性病検査をし、(性病に)気をつけろよ、と言って医務室に山ほどあったコンドームを配ることでしかなかった」と語った。
 8月15日敗戦以後のことにも触れた。「その日の記憶は全くない。その後、私たちは第一軍司令官澄田 四郎の命令で、山西軍閥閻錫山の軍隊に編入され、何かしてきた共産軍と戦わされた。戦死者550人は犬死、捕虜として山西戦犯収容所に収容された700人は、数年後、戦犯の刑期を終えて帰国したが、脱走兵扱いで警察につけ回され、職にも就けなかった。これが日本という国の実態だった」
 「私たちが孟県でしたことはまさに強盗、殺人、強姦。だから私には戦争犯罪人の自覚がある」と松本氏。「では、何がこのようなモラル喪失の日本人をつくり上げたのか? その根源は天皇制にある」と指摘。「大日本帝国憲法にも教育勅語にも『国民』という言葉はひと言もない。あるのは『爾臣民』だ。自民党改憲草案の第一条、『天皇は、日本国の元首であり』との記述は、天皇あって国民なしを意味していないか」と警鐘を鳴らした。
 「中国での戦争の実態を証言するのは、私にとって辛いこと。しかし、もう戦後ではなく戦前であると言わざるをえないような今日、私も90歳を過ぎた年寄りだが、生きている限りこの体験を語り続けることが使命だと思っている」と結んだ。

 
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