小さな旅「悠久の流れとともに〜三重県 紀宝町〜」 2014.10.25

(テーマ音楽)
太古の昔から神々が鎮座するとされてきた…

その奥深い山々を源流にして流れる熊野川です

平安時代から熊野詣でをする皇族や貴族が船で行き来しました
「川の熊野古道」として世界遺産に登録されています
いや〜美しいねえこの流れは。
ほんとに大きな川だ。
悠々と流れてるって感じだね水がね。
昔からここは川の道なんでしょうね。
これ船が行き交ったんでしょうけど。
ほんとにきれいな所だ。
熊野川の下流に広がる三重県最南端の町紀宝町。
およそ1万2,000人が暮らしています
道路が整備される昭和30年代まで川を行き交う船が暮らしを支えてきました
今も昔ながらの木造の川船を目にする事ができます
河原で船に乗ろうとしている人がいました
こんにちは。
(谷上)こんにちは。
今から船に乗られるんですか?そうです。
観光のお客さんを案内するところです。
そうですか。
川船で熊野川のガイドをしています
今日天気もいいし。
そうですね。
水もまあまあきれいですしね。
これは何ですか?ロープは。
これはね三反帆という事で帆柱なんですよここに立ってるのはね。
あっ帆を上げるんですか?はいそうです。
そうするとこれは風を受けて。
そうですそうです。
動力源として昔から使ってたんですよね。
3枚の帆を張る三反帆。
江戸時代から伝わる熊野川独特の帆掛け船です

河口までのおよそ4キロを1時間かけてゆっくり下っていきます

風が吹いてきました。
その向きや強さを見極めます
まだちょっと下流に向かってちょっと吹いてますね風ね。
一遍ちょっと上げてみましょうかね。
のんびりしていいね。
風待ちというか。
風の力で。
ほんとに。
ああ…。
ほんまにすごいね。
気持ちええね。
うん。
結構風の力すごいですね。
小っちゃな帆なんですけどもね。
米や炭などを積んだ三反帆が行き交う風景
一度は姿を消しましたが7年前谷上さんが観光船として復活させました

谷上さんは今では熊野川でただ一人の船大工でもあります
1艘を仕上げるのにおよそ2か月。
これまで30艘以上を作ってきました
(木を打つ音)
熊野川の川船は先が細長く大きく反り返っているのが特徴です
川の流れの影響を受けにくく浅瀬でも岸につける事ができます
昔からの船大工の技でしょうね。
それと川の状況によって船の形だったりねその辺は違ってきますよね。
これはもうむしろね工夫というよりかねやっぱり失敗の積み重ねでこうなったんだろうと思いますね。

幼い頃から川船に親しんできた谷上さん

小学3年生の頃には自在に櫂や棹を操り川遊びをしたといいます

地元の製紙工場を退職後川船の伝統を守ろうと船作りに打ち込んできました
私なりに熊野川への恩返しみたいなところはどっかにあるんですよね。
熊野川の恵みを受けて育ちましたからね。
いい形でねずっとずっとずっと伝わっていってほしいですよね。

熊野川は四季折々豊かな恵みをもたらします

貴志和徳さんです。
県外で建設業をしていましたが15年前ふるさと紀宝町に戻ってきました

今は漁師としてアユやエビを取り暮らしを立てています
やっぱりここやな。
よいしょ〜。
やっぱりここやな。
ようけ入ったるわ。

2日前仕掛けた網に入っていたのはモクズガニ。
この地域ではズガニと呼ばれています
秋産卵のため海へ下っていくズガニは最も味がよいといいます
重いよ。
重い。
ズガニはおなかの模様で雄と雌を見分け出荷しています
卵とみそがたっぷり詰まったズガニ
この時期一番のごちそうです
多くの人がこの味覚を楽しみにしています
きさちゃんカニあったぞ。
カニ取りに来るか?はい。
はいはい。
やって来たのは近所に住む幼なじみ
(貴志)カニが入った。
今日はありましたか。
(貴志)持ってきなはれ。
はいはい。
今日は僕はね0匹。
0匹か。
うん0匹。
いいか?はいありがとう。
この下もカニ取れるんやないか?網入れたら。
のうきっと。
人々をつなぐ秋の恵みです
今頃になると「カニまだかまだか」ゆうて連絡があるんやで。
その人らの連絡があるうちは僕もまだやろうかな思っとるんよ。
またね自分でも食べてもねおいしいです。

(川の音)
熊野川の流域は全国有数の雨の多い地域
(川の音)
一たび豪雨になると川は荒々しく姿を変えます
(川の音)
豊かな恵みの川は一方で暴れ川として災いをもたらしてきました
紀宝町の浅里地区。
32世帯55人が暮らしています
時に氾濫する熊野川は多くの土砂を運びます。
その肥沃な土地に田んぼや畑を作ってきました
いや〜すごいねこの石垣は。
何段ぐらい積んであるのかな。
それぞれ家が建ってて4段ぐらいか。
大きな石もあるからな〜。
昔は人力で運んだんでしょうからこれは大変だ。
明治時代に築かれたという石垣はこの地区を水害から守ってきました

3年前この地区を石垣を越えるほどの水が襲いました。
紀伊半島豪雨。
山は崩れ熊野川は広い範囲であふれました
こんにちは。
のどかなとこですけど3年前は水はどこまで来たんですか?これね私とこの屋敷から1mほど余裕があったの。
1m下まで。
じゃあすぐそこまで。
そうそうこれより1m下ね。
ああそう。
じゃあここは全部水?全部全部。
全部大川やったの。
じゃあ湖みたいなもんだ。
湖。
隣の冷蔵庫がねどんぶらどんぶら流れてきたりね。
へえ。
じゃあここは完全に水の下で?そうそうそうそう。
半分以上の家々が浸水。
今も1人が行方不明です
100人近くいた住民の半分がこの地区を離れていきました
(滝の音)
残った人々が心の支えにしようとしたのが自慢の飛雪の滝です
(滝の音)
江戸時代紀州藩の藩主が舞い落ちる水しぶきを雪に例えた事から名付けられたといいます
(滝の音)
水害によって滝つぼは土砂に埋もれ美しい流れは途絶えてしまいました
住民たちは昔の景観を取り戻そうと自ら手入れを続けてきました
その中心となったのが区長の…
知れてるんですけどね若い人は。
それでも皆さん集まって何かやるぞいう時はダッと来てくれるんで。
絆も生まれますし。
皆さん前向きにやっていると思いますけどね。
(滝の音)
水害から3年が過ぎた9月下旬。
地区を挙げての催しが行われました
この地区を離れた人たちも大勢集まりました

(歌声)
紀伊半島豪雨の犠牲者を追悼し地域の復興を願います
「黙とうをささげます。
黙とう」。
「お直り下さい」。
今日は滝をバックに何もステージもなく申し訳ないんですけれどもこのすてきな滝を見ながらひとときを楽しんで頂ければと思っております。

地元の中学生が奏でる音色
山里を包みます

500本のろうそくがともされました
この川とは切っては切れないと思いますのでこの熊野川とともにみんなと清らかな流れとともに生きていきたいなと思っております。
川とともに。
思い新たにするともし火です

(テーマ音楽)
(テーマ音楽)2014/10/25(土) 05:15〜05:40
NHK総合1・神戸
小さな旅「悠久の流れとともに〜三重県 紀宝町〜」[字]

平安の昔から、熊野詣の参詣道として川舟が往来した世界遺産・熊野川。漁師や船大工たちが川の文化を守り伝える。時に暴れ川となる熊野川とともに暮らす人々を訪ねる旅。

詳細情報
番組内容
平安の昔から、熊野詣の参詣道として川舟が往来した世界遺産・熊野川(くまのがわ)。下流の三重県紀宝町では、漁や物資の運搬など、川を中心に暮らしが営まれてきました。地元では、川舟文化を守り伝えたいと、船大工たちが伝統の船を復活させ、旅人に川を案内しています。一方で、熊野川は“暴れ川”と呼ばれ、しばしば氾濫し、人々を苦しめてきました。悠久の流れが育む文化や恵みとともに、たくましく生きる人々に出会う旅です
出演者
【語り】国井雅比古,山田敦子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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